「モノ作り大国」という幻想(何度目か)

2015-03-12 07:42

Appleが発表した新しいMac Bookは多くの点で「異常」である。彼ががかなりの時間を使って発表した「中身」を見てみよう。

MacBook Inside

まずほとんどの面積がバッテリーで占められている。さらにロジックボードの小ささはどうしたことか。

狙いが違うのは理解した上でもとSonyの技術者たちが「自由に腕を振るった」モンスターマシン、VAIO Zの内部を見てみよう。

MacBook Inside

引用元:Engadget 日本版

VAIOの人たちは声高らかにこう述べる。

社内でバッテリーパックの形に製造できることから、輸送に必要な外装を最小限として大容量化した点について紹介。

引用元:VAIO Z設計者が解体する『VAIO Z徹底分解』レポ。開発名は神龍、Fitからは99%新規設計 - Engadget Japanese

もちろん200名の小さな会社とAppleを比較するのはフェアではない。しかし彼らの「バッテリーの秘密」はMacBookに採用された完全にカスタムなバッテリー部品からみるとなんと矮小に見えることか。

こうした比較を行った上で、この言葉を読み返そう。

――日本とシリコンバレーのエンジニアの違いはなんでしょうか?
技術力です。ハードウェアは日本の方が低いです。
よく日本は素晴らしい技術を持っていると言われますが、ハッキリ事実を言った方が良いと思います。
知識も技術力も現在取り組んでいることも、日本のほうがレベルは低いと思います。

その理由は単純です。ソニーやパナソニックが元気だったころ、量産体制を作り上げるために、それまで社内で設計していたのを、台湾や中国といった海外に委託しました。
日本は仕様書を書くぐらいしかしなくなり、重要な設計の部分は外国に流れたわけです。

いま日本人の若手技術者は「ここになぜコンデンサーが必要なのか」を理解せずに、
「このコンデンサーを外してはいけない」ということだけを知っているのです。
しかし、台湾や中国の技術者は「なぜ必要なのか」をきちんと理解しています。
設計する技術力は、いま日本ではなく、台湾や中国にあるのです

引用元:Appleの日本人エンジニアが日本のハードウェア技術力の低さを指摘 : iPhoneちゃんねる

新生VAIOも市場での評価を得る前から「苦労話」を誇らしげに語る悪癖は抜けないようだ。iPod nano発表後に石鹸箱ウォークマンを発表せざるをえなかった、またそのあとも「苦労話」をサイトに掲載していた苦い経験から何も学ばないのも日本的組織の「伝統芸」というやつだろうか。確かにこういうユーザもいるのだけど。

色々と書きましたが、実は本当に購入は迷いました。ウォークマンの中ではめちゃくちゃ高いですから。でも、あのNW-ZX1を上をいく究極の音質を目指したウォークマン。そして開発者インタビューから伝わってくるプロダクトへの自信。十分にそれだけで購入する理由になると思っています。早く家でじっくりと聴きたいです。

引用元:12万もするウォークマン NW-ZX2 を購入した理由:とあるソニー好きなエンジニアの日記:So-netブログ