HTMLの問題点はどこにあるのか

2015-05-19 07:02

数年前のことだが

「これからはHTML5の時代。アプリも全てHTML5で作ろう!今は少し遅いかもしれないけど、そのうちCPUの性能があがるから大丈夫さ!」

という論調があった。私のような年寄りになるとこの「CPUの性能があがるから大丈夫さ!」という言葉には警戒心を抱く。過去に何度もそんな話は聞いたからだ。

さて日本ではほとんどニュースになっていないが、Facebookが新しい記事配信の仕組みを作った。Instant Articleと呼ばれるそれはサーバーから記事をとってはくるのだが、表示はHTMLではなくネイティブアプリの一部として行う。

というわけで「やっぱりHTMLはダメなのではないか」という議論が一部で起こっている。というかあれだよね。CPUの性能は10年前と比べて格段に上がったし、通信速度も上がったのだけどいまだにページを開こうとするたびやたら待たされるのはどう考えても問題だ。

という話は何度も持ち上がっているのだが一向に収束する気配を見せない。iOS上でアプリをアップデートするのには大変な手間と時間がかかるのだが、それでもみなネイティブでアプリを作る。ここには何か興味深い構造的な問題が潜んでいるような気がしてならない。つまりwebというのは「開かれた標準」であるがゆえに進歩できないのではないか、という問題である。いや、Adobeが持っているクローズドなFlashでも問題は解決しなかったではないか、と言われればその通りでそう問題は単純ではないのだろうが。

もう一つの仮説としては「マルチプラットフォーム対応というのが幻想に過ぎないのではないか」というもの。Write once, runs anywhereとスローガンだけは20年前からあるのだが、結局ものになっていない。メリットは明白?なのに誰も実現できないのは何か根本的な問題があるのだろう。

もう一つHTML文化の問題点というのに最近気がついたのだが、これはちょっと書くのがはばかられる。といいながら書いてしまうが

「ダメなエンジニア(と称する人間)とダメなデザイナー(と称する人間)を量産してしまう」