日本の大企業で出世するために

2015-07-29 08:18

何度も書いたトピックだが、ネタがつきないのも事実である。

富士通やシャープがなぜスマートフォンを作り続けるのだろう、という疑問は何度も書いた。しかしそういうことをやるからこそ日本の大企業という気もする。富士通のArrowsというスマートフォンがある。発売以来富士通の宣伝以外では高く評価されたのを見たことがない。なのに作り続けられる。初代はひどいものだったらしい。それに対して2012年夏には「反省のもとに開発した」新機種を発表する。

一方で、冬モデルで頻発した不具合については、同社執行役員の髙田克美氏が「ウェブ上でいろいろご指摘いただいている声は聞いている。ソフトウェアに起因する不具合などがあったのは事実。今回の夏モデルについては、開発プロセスの中での品質基準を高めた」と語った。

引用元:ASCII.jp:色々あった冬モデルとは違う? 富士通が夏スマホ発表会

2012年夏段階で、こう誇らしげに語っていた「高田克美」氏の名前を覚えておこう。

ここでEXILEが手に持って宣伝していた機種の一つ、ARROWS X F-10Dはこういう評価を得たらしい。

発熱や再起動病など、数々の悪評をを持つ、 昨年夏モデルの問題児、「ARROWS X F-10D」

引用元:ARROWS X F-10Dでリコールレベルの不具合発生!?-バッテリー熱でプラスチックが溶けたとの報告 : スマホ口コミ評価速報

品質基準を高めた結果がこれである。そのあとしばらく「普通」の機種が続いたらしい。しかし今朝こういうニュースがあることを知る。

平素はNTTドコモのサービス・商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、弊社の携帯電話「ドコモ スマートフォン ARROWS NX F-04G」において、カメラが起動できない、電源が入らない、再起動を繰り返す、画面の表示が乱れる等の事象が発生する場合があることが確認されましたので、販売を一時見合わせさせていただきます。

引用元:ドコモからのお知らせ : 「ドコモ スマートフォン ARROWS NX F-04G」の一時販売停止のお知らせ | お知らせ | NTTドコモ

伝統的に富士通は「ソフトウェアの不具合は搭載するアプリのせいだ」と言い続けてきた。今度はどんな言い訳を開発するのか楽しみだ。

というのは長い前振りに過ぎない。富士通の役員紹介のページをみるとこういう文字がある。

高田 克美 (Katsumi Takada) モバイルフォン事業本部長

引用元:役員一覧 - Fujitsu Japan

おそらくこれが一番驚くべきことだろう。これだけ問題をおこした製品群をリリースしていながら、高田氏は役員であり続けているのだ。Apple Mapの不具合一発(もちろんそれだけじゃないけど)で首を飛ばされたフォーストールとは大きな違い。

別の観点で言うと、富士通は「成果主義」を初期に導入したことでも悪名高い。私が不思議に思うは、成果主義とこの人事がどうしても頭の中でマッチしないことだ。

とはいえ

同じ仲間の電気産業であるところの東芝の様子をみれば、こういうのもうなづける。電電公社グループ内で働いていた時、1+1の答えが虚数になる文化の中で正気を保つ難しさをいやというほど味わった。おそらく、東芝、富士通も似たようなもんなのだろうな。特に富士通は電電ファミリー企業でもあるし。