何も学ばない人たち

2015-10-29 06:56

自分が集めた金で、好きなものを作ってその結果は自分が受け取るのだから他人が文句を言う筋合いではないと頭でわかっている。しかしこんな退屈な製品は久しぶりに見た。

「ハッキーのカギを操作すると、用意しておいた自身のブログを更新する」「子どもが帰宅してハッキーのカギを操作すると、帰宅通知がメッセンジャーで送信される」といった使い方が可能だ。

引用元:「ネットのカギ」は9980円、Cerevoから「Hackey」 - MONOist(モノイスト)

デバイス原理主義者はこういうものを作って得意げに発表する。問題はアプリケーションがないこと。でもって「SDK公開しますから、みなさん面白いもの作ってください」は経験的に言えるが絶対に成功しない。

仰々しくキーを差し込んでわざわざ「ブログの更新」をする人がはたして世の中に存在するのだろうか?似てはいるが全く異なる製品と比べてみよう。

Amazonによれば、新しいDash Buttonを利用すれば、顧客はスキャナやマイクを使用する代わりに、ボタンを押すだけで、用意されている複数の製品の中から必要なものを注文することができる。

引用元:アマゾン、ボタンを押すだけで日用品を注文できる「Dash Button」を発表 - CNET Japan

日用品がたりない、とわかるのはその日用品があるべき場所。だからそこにボタンをとりつけ、ワンプッシュで注文できるというのは実に便利そうなユースケースだ。それにくらべて「鍵を差し込んでWebサービスを起動」。いやーわくわくするなあ。(棒読み)

同時に驚くのはこの会社のメディアと結びつく威力だ。私が朝に巡回するニュースサイトでなんども同じ製品を見る。ニュースサイトでなんども同じ信じられないほど馬鹿馬鹿しいユースケースを見る。

高齢の親に「起きた時と寝る時に、Hackeyの鍵を回して」と頼んでおけば、起床/就寝時にメールが届くようにできる

引用元:ひねればWebサービスにつながる、Cerevoの鍵スイッチ「Hackey(ハッキー)」 - 家電 Watch