JobsとMayerを分けたもの

2016-01-15 07:05

米国Yahooが解体されようとしているらしい。状況がこうなるとCEOには批判の声が強くなる。

Now, morale has sunk so low that some employees refer to Ms. Mayer, Yahoo’s chief executive, as “Evita”

引用元:Yahoo’s Brain Drain Shows a Loss of Faith Inside the Company - The New York Times

今や彼女は社内で「エビータ」と呼ばれているのだそうな。

上に引用した記事を読みながら「MayerとJobsを分けたものはなんだったのだろう」と考える。Mayerに対する批判的な言葉はそのままJobsに向けられてもおかしくないもの。そしてAppleの成功とYahooの解体が二人の能力だけに負っているわけでもない。

今マッキントッシュ物語という本を読み始めている。

この本が書かれたのは1994年。つまりiPhoneの影も形もなく、Windows3の登場やら、スカリーの退任により「どうもAppleの先行きは危ないのではないか」という懸念が表面化したころだ。

しかし

その頃のエピソードであっても、Jobsと(伝え聞く)Mayerのスタイルには何が決定的なちがいがあるように思う。

Mayerと働いたことがある元Googleの幹部は2度こう言ったとのこと。

"This is a great day for Google, and a nail in the coffin for Yahoo."

via: The Truth About Marissa Mayer: She Has Two Contrasting Reputations - Business Insider
Googleにとっては素晴らしい日。そしてYahooにとっては棺桶に釘が打たれた日。

・Mayerは文字通り一日24時間、週7日働く。
・99%の人間より頭がよい
・他人を使うことができない。だから、彼女の才能を組織の力にすることができない
・彼女にとって「マネージメント」とは脅すか、恥をかかせることだ。
・彼女に5分間会うために、彼女のオフィスの外には人が並んでいた。GoogleのVPも並ばされた。

引用元:ごんざれふ

部下に対する「厳しさ」の元にあるものが違うのではないかな、とぼんやり考える。与えられた問題に対してベストの解決方法をとる人間と、そもそも自分で問題を作り出している人間との違いが。

なにか大きなプランを立てて、それを社員にやらせるということではなく、どんなアイデアがあるのかを聞き、アイデアを実行するように許可するのが私の役割。

引用元:Yahoo!のメイヤー氏とFacebookサンドバーグ氏が「Dreamforce 2013」で講演 -INTERNET Watch

これは自己評価だから割り引いて聞かなくてはならないが、おそらくJobsはこうした姿勢はとらなかったと思う。そして危機に瀕した企業を救うのにおそらくこうした姿勢は正しくない。

残りの銃弾が一発しかない時に「どこを狙うのか意見を聞いて、それに青信号を出す」人がCEOではいけないのだ。