村の論理が極まる時

2016-04-04 06:41

最初に勤めた三菱重工で、客船が大規模損失を出しているという。例によって外から見ていては理由がよくわからないが、三菱の「公式発表」が嘘であることについては自信がある。

というわけでこちらも信用できないと思いながら記事を読む。

「三菱の人は外国人によう言わんのや」。協力企業で働く日本人技能者の1人は、そんな不満を漏らす。やらなければいけない仕事は山積みで、自分たちは働いているのに、一部の外国人技能者が休憩ばかりしている。それを注意しない三菱重工にも、腹が立った。

 ほかにも、夏に半袖半ズボンで働く、禁煙の場所でタバコを吸う、散らかしたゴミを片付けないなど、この技能者の感覚では「あかんやろ」という事がいたるところで目に付いた。しかし、喫煙所のルールが徹底されたのは今年初めのボヤ騒ぎの後。休憩やゴミの扱いに至っては、引き渡しまで直らなかった。

引用元:三菱重工の巨額特損、知られざるもう1つの理由 (3ページ目):日経ビジネスオンライン

三菱重工といってもいろいろな部署がある。しかし長崎造船所という特殊な環境とこの言葉を思いあわせると「そんなことがあったかもしれない」という思いにかられる。

長崎に住む理系の男性にとっての「成功コース」というのがあるそうで、長崎大学から三菱重工に入社し、長船で働くことなんだそうな。長崎に行ってみるとわかるが、三菱重工の下には関連会社が山ほどあり三菱の社員といえば、昔は名刺だけでツケで酒が飲めたとか。(私の頃にはすでにそれは伝説となっていたが)

そういうピラミッドの頂点に君臨する人間はその立場に適応する。そしてそれ以外の状況への適応力を失う。なぜ周りが自分の言葉に従うか理解していないから、言葉に従わない人間が来た時なす術を失うのだ。

仮にそのピラミッドの内側にいる人間が喫煙場所以外でタバコを吸ったら恐ろしい制裁が待っているにちがいない。その会社の下手すれば社長がとんできて三菱のヒラ社員にぺこぺこ頭をさげる。しかしクロアチア人が相手ではそんな「あうんの呼吸」は全く配慮してもらえない。かくして船の中に火事が起こる。

まあ想像はこれくらいにしておこう。

こうした「村論理」はなんらの合理性を持たず、どこからか神の声のごとく降ってくる。それに疑問を持っていては日本でサラリーマンはできない。

「まあ、そこには理由はないんだよな」
「そうですか?」
「40歳過ぎたら、“圧倒的にできる”人以外は段々と外れていって、最終的に役員以上になるのはわずか。それ以外の異動の順番や行き先ってあまり深い意味はないんだよ」

引用元:いよいよ50代。自分のキャリアをどう見切る? (2ページ目):日経ビジネスオンライン

これも日本では常識なのだろうが、こんなことをやっていてはテリー・ゴウから「40代以上はいらない」と言われるわけだ。出世ラインから外すのはいいとして、給料を順調にあげ、かつ全く関係がない部署に移動させるとはどういうことか。

これも「村のきまり」だから村にいれば頭を垂れて従うしかないのだが、こうやって「意味なく飛ばされてきた人間」の下につかされる平社員の悲哀はよく知っている。新しいベンチャーではこんなことは起こらないと信じたいが、日本もだんだんここから脱却できるのだろうかね。