韓非子の教え

2016-05-24 07:02

確かこんなくだりがあったと記憶している。人が上司に対して述べることをじっと聴く。それとは別にその人間がどのような「行動」をしているのかをこっそり観察する。その一致度合いを測る、と。

人間世界の知恵というものは、別にハーバード大学の教授に教わらなくても数千年も前から対して変わっていない。というわけで今日は「企業は2種類のアンケートを(それと知らないように)とるといいのではないか」というお話。

アンケートを取るのが好きな人がいる。長年サラリーマンをやっている私としては、多少なりとも個人が特定される可能性がある場合

「期待されている答えを推測し、それにほぼ沿った結果」

を回答する。そうしておけば波風は立たないしアンケートを実施した人もハッピーになれる。仮に本当のことを答えれば最悪の場合「全社集会でお説教」が行われるかもしれない。そんなことは避けるのが「知恵」というもの。誰もアンケートで「改善意見」など誰も求めていない。「従業員は意欲的で、上司と経営人を信頼しています」という結果がでればよい。

でもって

これは難しいのだが、それと「匿名性が保障されたアンケート」を別途取得する。これは推測だが、その両者の「一致度」は企業の状態について面白いデータを提供してくれるのではないか。

いや、なんでこんなことを言い出したかというと

私は今回の三菱自動車の不正事件を機に、これまでの再発防止策のあり方を根本的に見直すべきだと思っています。日本企業の再発防止策は空理・空論・建前ばかりで、実効性や実利に乏しいものばかり。だから再発防止策が機能しないんです。

引用元:「再発防止策」はなぜ機能しないのか (3ページ目):日経ビジネスオンライン

このセンセイの言葉が「問題点の指摘ばかりで何一つ具体的な提案がない」ことにイラっとしたからなんだけどね。

デンソーでは「ヒラメ」という言葉がよく使われるらしい。要するに下はみないで上司の意向だけを気にして生きる人たちのことだとか。サラリーマンとしては それが正しい態度だと思う。これはどういうことか?

私のような底辺サラリーマンは「言葉」は参考程度に聞いておき、実際に何が行われているかを注意深く観察する。端的に言えば、どういう人間が経営者から評価されるのかをだ。

そして

「ああいうのがいいわけね」とわかれば、それに即した行動をとる。少なくともそれに逆らうことは避ける。嘘つきで部下や同僚から嫌われる人間が出世すれば「なるほど、あいいうのがいいわけね」となる。

臣下が君主に取り入ろうとして本性を現さないことが君主の大きな悩みである。そこで君主は自分の好悪を臣下に知られないようにしなければならない。君主の思っていることが分からなければ、臣下に取り入る隙を与えずにすむ。

引用元:韓非子 - Wikipedia

というわけで警察大学校のセンセイも韓非子の引用くらいして、「問題だ問題だ」と叫ぶばかりでなく、何か提案してはいかがでしょうか?文句言うだけなら2chですら褒めてもらえないよ。ああ、そうか警察大学校のセンセイには誰も本当のことを言わないか。