ビジョンを語ろう

2016-09-05 07:17

いつものことながら、企業のサイトを見るのが好きである。そこには美しい言葉が並び、輝かしい未来が語られている。

今後より多くのモノが通信機能を持ち、相互に通信することができるようになれば、サポートが必要な人はもっと多くなるはず。そうした世の中でも、誰もが格差なく情報を得られるようにすることが、PC DEPOTのビジョンです。

「無料でスマホの使い方やお得な料金の相談を受ける」「サプライ品購入のお客様にも時間をかけて接客をする」「無料でパソコンの不具合原因を診断する」。どれも、目先の売上だけを考えるなら、非効率的だと思われるかもしれません。ですが、私たちのビジョンの実現のためには、お客様と永くお付き合いし、困った時にいつでも頼りにしていただくことが一番重要なのです。

そして、その結果がビジネスとしての成長につながることも数字に表れています。「本当にお客様に喜んでいただける接客をしたい」「モノを売るだけでなく、その先の社会貢献を実感したい」。そんな方にピッタリの接客スタイルが、PC DEPOTにはあります。

スタッフにノルマを課していないのも、お客様一人ひとりの「困った」に丁寧に向き合い、一番良い解決方法を提案していくための工夫です。もしノルマがあったら、お客様にとって本当は必要のない機能のついた高額商品をお勧めしてしまうかもしれません。

引用元:採用メッセージ | メッセージ | 新卒採用 | 株式会社ピーシーデポコーポレーション採用情報

「書いてあること」はZapposのそれから引き写してきたかのようだ。でもって現実はこちら。

PCデポのトウゼンカード懐かしいな。
これ店裏のモニターで各店の取得率流れたり、表彰されたり、賞与に影響したり、取得率低いと指導が入ったりetc...
これを「ノルマじゃない」ってのはちょっと無理があるなぁ

あと「今月のトウゼンキング」みたいな恥ずかしいのはまだ続いてるのかな笑

引用元:ちょちょまるさんのツイート

この「看板」と「現実」が一人の人間の中で両立しうる、という事実には驚くしかない。これは想像だが、この会社の幹部は「ノルマはない」と大真面目にビジョンを語り、トウゼンカードで従業員を締め上げているのだろう。

私は文字にかかれたことをそのまま信じる幼稚な人間なので、こうした態度には畏敬の念すら覚える。

こういう会社では「地図と地形が違うじゃないか」という人間は徹底的に排除される。

「地図は正しい。地形が違うなんてのはお前らの努力がたりないせいだ」

と大真面目に言えなくては出世できない。考えてみれば三菱自動車も東芝も全く同じ図式だな。

もう一つ印象的なのが

炎上した企業にインタビュー形式で広告を出させる商売かな?

引用元:はてなブックマーク - PCデポ社長、高齢者PCサポート事業への批判に答える ピーシーデポコーポレーション・野島隆久社長インタビュー|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

PCデポ社長の一方的な説明を、なんの批判もなくそのまま掲載する週刊ダイアモンドの姿勢。この問題に関して言えば、まともな取材をして「地形がどうなっているか」を報道しているのは普段は風俗関係の記事を書いている人だったり、Netgeekというあまりよからぬ評判のサイト。

地図と地形が違っている、それを明らかにし知らしめることをジャーナリストには期待したいのだが、なぜかそれは無理なようだ。こう考えてみるとやっぱり「和をもって尊しとなす」精神がだめなのかなあ。