読めない「スライド」に固執する人たち

2016-11-25 06:50

他人のプレゼンに付き合うことが時々ある。でもって

「このスライドはどう考えても読めない。読めないスライドに意味はないから削れ」

と言う。しかしそれに成功することは滅多にない。不思議なことだが、そういうスライドを作る人間は何を言ってもそのスライドを使い続ける。さらに言えばそういう人の数は驚くほど多い。

「相手が聞きたいことを喋る」

のがプレゼンの一番元にある原則なのだが、これが明言されることは滅多にないようだ。代わりにあるのが

「自分が重要と思っていることをスライドに書く」

である。これは間違っている(断言)それは自分だけしか読まない(と想定されている)日記でやることであり、他人の貴重な時間を使ってやることではない。

と書いていてこのFirst Pricipleの間違いが、世の中にあまた存在するゴミプレゼンの根本原因なのではないかと思えて来た。つまり自分がなんのためにプレゼンをするのか理解していない。さらには

「これを言ったら相手はどう思うだろうか」

という想像する力が決定的に欠落している。それゆえ自分が大事だと思っている(しかし説明はできない)スライドを使うことに固執し続ける。

とか考えていると、プレゼンテーションの仕方で本が一冊かける気がして来た。しかし本も同じだよね。私が理解していないだけで。UI開発失敗の本質はそこそこ売れたけど、もう一冊の方はさっぱりだもんね。名作だと(本人だけは)思ってるのだけどなあ。きっと私は「読者が読みたいことを書く」という原則を忘れてしまっているのだろう。