This is Japan

2017-05-09 07:50

DeNAにパットンという投手がいるらしい。いや、懐かしいとかそういう話ではない。彼がこういう感想を述べたのだそうな。

例えば、キャンプ中の練習でもっと効率の良い方法があるのになぜそうしないのかとコーチに聞くと、コーチに「誰だお前だ」というような顔をされながら、さらにプレーそのものよりも困惑する説明が返ってくると明かしている。
 
 (中略)
 
 「これは、彼らが質問に完全に答える理由を持っていないことさえも意味する。私は、日本で行われる大抵のことは、歴史や伝統への尊敬から、常にそのようにされてきたから行われていると結論付けた」と日本の文化を分析するパットン。

引用元:DeNA・パットンが見る日本の野球文化 「これが日本のスタイルと言い聞かせよう」 | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)

これに対するはてなブックマークのコメント(支持を集めているもの)がまた素晴らしい。

主張は凄くわかるが、これは日本文化の問題ではなく、米国も同じだと思う。例えば散々リスクが喧伝されている中四日登板を続ける理由について米国の野球関係者に問うても、納得できる答えが返ってくるか疑問。


Outfielder 「もっと効率の良い方法があるのになぜそうしないのか」「これは、彼らが質問に完全に答える理由を持っていないことさえも意味する」意識高い系中途入社あるある

引用元:はてなブックマーク - DeNA・パットンが見る日本の野球文化 「これが日本のスタイルと言い聞かせよう」 | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)

「アメリカ球界も非合理的」「意識高い系中途入社がいいそうなこと」といった言葉が多く支持されているのだ。少なくともこの記事にコメントを残している人たちの意識はここから少しも変わっていないように思える。

「(西垣氏は)『仕事をするときには時間軸を考えてほしい。プログラマーからエンジニア、プロジェクトマネージャになっていく中で、仕事というのは少しずつ見えてくるものだ』と説明。これを受けて、田口氏(司会のインプレスR&Dの田口潤氏)が学生に『10年は泥のように働けます、という人は』と挙手を求めたところ、手を挙げた学生は1人もいなかった」

引用元:全文表示 | 「入社10年は泥のように働け」 IT業界はみんなそうなのか : J-CASTニュース

こうした現実に直面すれば、パットンもThis is Japanと肩をすくめるしかない。何度も実証されていることだが、日本のプロ野球というのは米国の3Aと2Aの中間くらいの存在。それでいて給料は米国の何十倍ももらっている。この「成功したビジネスモデル」に文句をつけるお前は誰だ?と聞きたくもなるだろう。最近は国際試合で全く歯が立たないことも「常識」になりつつあるが、かといって給与水準が下がったわけでもない。勝利を目標としないBaseBallならぬ野球は独自の進化を遂げていく。太鼓の音に合わせ、同じ歌を歌う観客は増えているそうだしビジネス的には全く困っていない。仮に中高の野球部の数が減り野球人口が減ったとしてもそれがなんなのだ?

日本野球の未来は暗い。こう言い切ってしまうと、驚く人が多いだろう。熱心なファンは、プロ野球や高校野球の人気は盤石だと感じているかもしれない。

引用元:ファン減少続く日本野球の「超不安」な未来 (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

日本の大企業にも同じ病気があるのではなかろうか。困ったことに多くの大企業は国内だけにとどまっていることができない。それゆえ東芝になったり海外投資で莫大な損失を出し続けるドコモになったりする。

思うに

日本が復活できるとすれば、こうした「お前らみたいな新参者は黙って従って入ればいいんだ」という「自分たちのやり方に対する無条件の信仰」が崩れた時じゃないのかな。国土が焼け野原になることなしにそうした変化が起きるといいのだけれど。