お国の努力

2017-06-16 07:51

学会などにでていると、お国が「日本に活力を、イノベーションを取り戻そう!」と大変努力していることがうかがえる。Center of Excellence、とかCenter of Innovationとかとにかくそういう大学向けの企画が目白押しである。

たとえばこのページのサイドを見てみよう。バナーがずらっとならんでいる。

各プロジェクトをみてみよう。産業界からプロジェクトリーダーを選出し、ビジョンをかかげ、それをわかりやすく絵にして、、


すばらしい未来

引用元:ビジョン2 「感動」を創造する芸術と科学技術による共感覚イノベーション拠点

実に壮観だ。「できることはなんでもやりました!」と言いたいのはよくわかる。そして何よりもそれが何の役にも立っていないところがすばらしい。

こう書くと参加者からは「いや、それは間違っている」と反論を食うだろうが、一歩引いて考えて見てほしい。このなんとかプロジェクトとかなんとかビジョンとか普通に生活していてカケラも聞いたことがない。私は普通でない生活をおくっているから時々発表会などで見聞きするが、そこで感じるのは

「をを、これはすごい。社会はもっとこれに着目すべきだ」

という感想ではなく

「ふーん。お国からお金がもらえてよかったねえ」

である。

私の考えでは、こうした「努力」は全て本当の問題から目をそらすための目くらましである。というかこんなことをいくら繰り返しても、何も生まれない、ということにそろそろ誰かが気がついて声を上げるべきなのではないか。それが行われないことが一番の問題。