いよ!社長さん!

2017-06-14 07:15

サラリーマン生活も長くなってくると「社長に求められる資質はなんなのか」と考える機会が増える。子供の頃は「しゃちょうさんは、かいしゃで一番偉い人」と思っていた。最近は

「社長は社長」

と考える。つまり頭がいい必要もなければ、人格者である必要もない。社長は社長の仕事をこなしてくれればよい、というものである。

であるからして

だからおれクライアントだったんですよ。あなたの。で、あなたは過去にクライアントであったとしても僕に対してそういう言葉使いをするんですね。よくわかりました。

引用元:Ryo Shimizuさんのツイート

これはある会社の社長が議論を持ちかけられた時、相手に放った言葉である。こんな社長がいる会社で働いている社員はどんな気持ちだろう、と0.3秒くらい考えるが「まあいつものこと」と肩をすくめるくらいではないか、と思い当たる。外部に対してこう発言するくらいだから社内ではもっと馬鹿げたことを繰り返し発言しているにちがいない。それに慣れなければ社員ではいられないし、たいていの人は気にしないと思う。

とはいえ

こういうニュースを聞くと、「やはりある程度まともな人間でなければ、社長業もなし得ないのではないか」と思う。

配車サービスを手掛ける米ウーバー・テクノロジーズのトラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)は、休職する予定を社員に伝えた。復帰の時期は明らかにしていない。相次ぐ不祥事からの立ち直りを目指す同社では、経営委員会が会社を率いることになる。

引用元:不祥事相次ぐ米ウーバー、カラニックCEOが休職へ-職務も縮小 - Bloomberg

トラブルのたえないウーバーで、CEOが休職になった。いろいろなスキャンダルを斜め読みしただけだが、やはりトップにたつ人間が間違っていると、それにふさわしい人間が周りに集まってくるとしか思えぬ。それぐらいウーバーの関する問題は遠く極東の国にまで頻繁に聞こえてくる。
さて
国家元首がそのような状態になっているのが、アメリカ合衆国である。こちらもウーバーと同じくらい「疑惑の総合商社」といった趣。昨日CBSをみていたら「トランプが経営しているホテルを海外企業が利用することがある。すると大統領は海外からの資金援助を禁じる法律に違反している」とかなんとかいう訴訟が起こされたのだそうな。そもそもトランプが大統領になったのに、まだ個人ビジネスを保有しているのがいけないし、そもそもそんなことは前例がない。そうした状況でも、閣僚はトランプを支持し続ける。

閣議では続いて、最近新たに就任したパーデュー農務長官らが名指しされ、それぞれトランプ氏に惜しみない称賛の言葉を贈った。トランプ氏は無言のまま、笑顔で耳を傾けた。
この後さらに、全員が立て続けにトランプ氏への称賛や感謝を口にし、同氏は満足げな表情を見せていた。

トランプ政権では同氏を大げさにほめればほめるほど待遇が良くなるということを、閣僚らは認識しているようだ。

引用元:CNN.co.jp : 米閣議で異例の光景、全出席者が立て続けにトランプ氏称賛

洋の東西を問わず、ボスには尻尾をふるしかないのが、勤め人の性。彼らには哀れみより同情を感じる。しかしこうして記録に残るとわかっていながら演じさせられるのは辛いだろう。今後トランプの運命がどうなるかわからないが、「偉大な大統領」と記録されることはまずあるまい。となると閣僚は末代まで「なんでうちのおじいちゃんは、トランプなんか褒めてるの?」と聞かれることになる。

私もサラリーマンだから、まあ忖度というか知恵をしぼることはあるが、哀れな米国閣僚のように記録に残されることはない。ヒラは気楽なものだ。