少年野球兵たちの戦い

2017-08-08 07:29

今年もバットとボールをもった少年兵たちが、言われるまま戦う季節がきた。戦争が終われば、少年兵は「人殺し以外何もしらない役立たず」として一生を終える。少年野球兵たちの戦争は終わらない。しかし兵隊は3年経つと強制除隊になる。多くの元少年野球兵はボールの扱い以外何もしらない人間としてそのあとの人生をすごす。

日本の高校野球は極めて特異な方向に進化し、結果、“プロ部活”のバケモノに育ってしまった。それは「スポーツ」と呼ぶには時代遅れで、「教育」と呼ぶには出鱈目だ。日本で生まれ育った“プロ部活”以外なにものでもない。しかし、100年以上をかけて醸成されたシステムは、ガチガチに組み合ってなかなか解けない。

引用元:“プロ部活”のための夏の甲子園──ますます空洞化する「教育の一環」(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

私はこのバケモノを退治することができるのはメディアだと思っている。メディアが-特にNHKが-報道をやめれば、自動的にこの化け物は死滅する。私は子供のころ甲子園を喜んで見ていた。解説者がいろいろいるなかで一人だけ「ホメホメ人間」と呼んでいた人がいた。その解説者はとにかくホメるのであった。アマチュア野球なんだから、貶すより褒めたほうが聞いている方も気分がよろしい。

ある夏の決勝戦、そのホメホメ人間が解説をした。試合後に

「気をつけないと、甲子園がこんな風に変わってしまった、ということにもなりかねない」

と言った。私は子供心に意外に思った。あのホメホメ人間がこうした厳しい言葉を吐くとは。

それから40年。彼の懸念は正しかった。その昔地元の高校の1回戦とか2回戦は地元だけで放映された。それがいつのまにか教育と総合を跨いで朝から晩まで放映するようになった。自分たちの高校の名前を天下のNHKが連呼してくれる!私が高校を授業として運営する立場なら間違いなく「甲子園を目指せ」と命令する。事業の面からは誰もその判断に文句はつけられない。

DeNAとかソフトバンクとか楽天とかも、社名をニュースのたびに連呼してもらえる。彼らの野球に対する投資は見事に身を結んだ。プロはそれでいいが、少年兵を戦争に駆り出す行為は許容されるのだろうか?