きっと明日は

2017-10-20 07:04

元気を出せ。今日はきっと明日よりましさ。とはどこかで聞いた冗談である。多くの人は常に「最近は昔より治安が悪化している」と頭から信じ込んでいる。それはうちの奥様だけではない。

詩子

引用元:The latest American mass killing

一番左のグラフが米国における銃関連の犯罪の犠牲者。真ん中が先日ラスベガスでおこったような大量殺人の犠牲者の比率。右が「20年前と比べてアメリカにおける銃犯罪が増えたと思いますが、減ったと思いますか」という質問に対する回答。

つまり

・アメリカにおける銃関連の犠牲者は1990年代半ばに大幅に減少。そのあとも減り続けている。

・しかし銃乱射事件による犠牲者は増え続けている。しかし銃関連の犠牲者全体に占める割合はわずかなもの。

・しかし人々は20年前より銃関連の犯罪は増えていると信じている。

ということになる。

このように「世の中はだんだん悪くなっている」と思う傾向にはきっと進化上のメリットがあるに違いない。逆に国民が皆「今は素晴らしい時代だ!」と目を輝かせているのはろくなことではない。例えばナチスが政権を握った直後のドイツとか日本の「進歩的文化人」が礼賛していたころの北朝鮮とかね。バブルの頃の日本もそうだったかもしれない。

というわけで今日も陰鬱な顔をし、下を向いて過ごそう。多分そのほうが社会にとっては健全なことなのだ。