日本の大企業

2017-12-21 07:17

日本の大企業に勤めているからといって、その個人が優秀なわけではない。なんでも85%はクズだという定理はここにも当てはまる。

しかし経営者というのはそんなにたくさん必要なわけではない。毎年何百人も採用する新人のなかから、6年に一度経営者たる人がでてくればいいのだ。私は日本の大企業はそういう原理で成り立っていると思っている。

そう考えれば、確かにこの人は「日本の大企業のトップになる人だ」と思える。

ーー本の中で、西田氏が海外で働いていた時は、相手の国の文化も全て調べ尽くして勉強した上で商売をしていて、不正会計の時のように数字だけをいう人ではなかったと書いていましたね。

本当に優秀だったんだと思いますよ。

東京大学の大学院で西洋哲学とか西洋政治学とか学んでいた人が、いきなり実業の世界の方に足を踏み込んで、たちまち頭角を表す。

引用元:【東芝不正会計】西田厚聰元会長が死去。「最後のインタビュー」で語ったこと (ホウドウキョク) - Yahoo!ニュース

絵に描いたような救世主。You are the one.である。そしてこの人が出世するとこうなる。

あれだけ優秀だった人が自己弁護しかしないというのが、非常に意外でもあったし、いたましいなという感じでした。「100億200億とか、僕らがやっていた事業規模の1兆円からすると多額ではない」というような言い方をしていて、そんな風になっちゃうのかなぁという。

引用元:【東芝不正会計】西田厚聰元会長が死去。「最後のインタビュー」で語ったこと (ホウドウキョク) - Yahoo!ニュース

かつての「現実を調べ尽くし、考え抜いて仕事をする人」が偉くなると「私は絶対に悪くない」の虚構の世界に閉じこもる。私にはどうしてもこの「救世主」と「暗愚の経営者」の間の変化が理解できない。どうしてこうなってしまうのか。

「三つ子の魂100まで」とは私がその正確性を信じていることわざでもあるが、この事例はそれとは対極にある。

我々は歴史上の人物というと一定の性格があるように思い込む。しかしそれは正しくないのかもしれない。人間は短期間でここまで変貌(堕落)しうる。そのことを我々はもっと認識すべきなのかもしれない。