そもそも論

2018-01-25 07:16

今日はネタがないのでぼんやりした話を。

Deep Learningの世界では「なぜそれでうまくいくのか」というのは禁断の質問になっているのだそうな。(少し前に聞いた話だから今は違うかもしれないが)とにかくうまくいくからうまくいく。

しかし

ぼーっとした瞬間、なぜそれでいいのか、という疑問が頭をもたげる。

この問題に対して、20歳の若い物理学者であるHenry W. Lin氏が次のような仮説を立てている(図1)1)。世の中にみられる(カオスになっていない実用上興味のある)問題は次のような特徴を持っており、ディープラーニングはそうした問題に特化しているので成功しているのではないかというものである。

引用元:《日経Robo》なぜディープラーニングがうまく学習できるのか - 日経テクノロジーオンライン

こうした「根本的な問い」をする人は本当に少ない。「シンギュラリティで社会がかわる!」と騒いでいるお祭り付きな人たち(これはバカ、ペテン師、疑似科学者のなりそこない、の婉曲な表現である)とつきあうよりこうした問いに対する考察を聞きたいものだ。

もっと遡れば

物理で数学を使うことに時々疑問を感じる人もいるだろう。数学というのは物理現象とは全く独立に存在していてもいいはずのものだ。なのになぜ物理現象を数学で表現することができるのか。10gの重りと10gの重りを皿に載せたら、30gになってもよかったはずなのだ。なのになぜそうなっていないのか。

こういうことを言っても、ブログのネタにしかならないから誰も問わんのだろうか。

一方で、人や動物が非常に少ない経験から学習できることは、まだ見つかっていない帰納的バイアスがあることを示唆している。人や動物はこうした帰納的バイアスを進化の過程で脳の構造として獲得してきたが、そこに工学的に参考になる部分はまだ多いにあると考えられる。

引用元:《日経Robo》なぜディープラーニングがうまく学習できるのか - 日経テクノロジーオンライン

シンギュラリティ馬鹿にこういう疑問を振っても「シンギュラリティだ!」としか言わない。だからそういうバカの集団の中では無口になる。

しかしここは個人ブログだから好きなことを書こう。このバイアスはどういうものなのだろうか。何かの形で回路化されているのだろうか。そうではないのだろうか。

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今考える、考えを深めるといった分野をサポートするシステムがつくれないかと考えている。そしてそうした分野の研究が少ないことに驚いている。(ブレスト支援は山ほどあるけど、ブレストは考えることではないから)つまりほとんどその方法がわからないのだ。

このようにDecision Supportの分野では機械的にモデル化できる部分を除き、IT技術は驚くほど浸透していない。実際現実世界のDecisionがどのようになされるかは、例えば会社員として生きていれば毎日のように実例を見ているはず。なのになぜ「シンギュラリティだあ!」とはしゃげるのかな。そうした思考回路の方が私にはよっぽど謎だ。