ごんざれふ賞2017-2018

2018-03-10 07:13

春一番が吹き、永遠と思われた冬にも終わりが見え、そして今年も「ごんざれふ賞」の季節。

例によって例のごとく受賞資格があるのは、2017/2/1-2018/2/28の間に「私が観た」映画です。公開日がどうとか細かいことは一切考慮しません(断言)というわけで、さっそく発表します。


作品賞:
ブレードランナー2049
ドリーム:Hidden Figures
メッセージ:Arrival

邦画が圧倒的に強かった去年がやはり特異年だったのでしょうか。考えてみれば今年は邦画自体ほとんど見てない。

一瞬にしてそれまで想像していた構造がガラガラと崩れるArrival.あの映画が提示した構造はいつも頭に蘇る。仮に私が10秒後に悲劇的な死を迎えたとして、いままでやってきたことは全部無駄だったということになるのだろうか。もし運命が決まっているとしたらどうしたらいいのか。

正統派でありながらきっちりと感動させるHidden Figures.この技には感服しました。

そして興行的にはどうだったかしらないけど、静かに、そしていろいろなことを考えさせられたブレードランナー。雪が降る中静かに腰を下ろす主人公。というわけで当然のことながら


主演男優賞:

ライアン・ゴズリング@ブレードランナー

同じLos Angelsを舞台にして、同じ俳優でありながらLA LA LANDとの違いはなんなんだ。


主演女優賞:

エイミー・アダムス@メッセージ

マッケナ・グレイス@ギフテッド


いやー、エイミー・アダムズは前に見たときは「ぱっとしない人だなあ@魔法にかけられて」と思ったり、ちょっといいな@ナイトミュージアム2と思ったりしたけど、この映画では美しく、そして寂しげ。お見事。そしてマッケナ・グレイスの素晴らしい演技。彼女が成長するのが楽しみなような、怖いような。

助演女優賞:

アナ・デ・アルマス@ブレードランナー2049

この人他の映像でみると普通の人なんですよ。なのにこの映画における可愛さは一体なんなのか。もういいじゃん。プログラムだろうと、量産型のロボットだろうと。こんなに可愛んだから。


助演男優賞:

サミュエル・L・ジャクソン@キングコング:髑髏島の巨神

映画自体はあれなんですけど、CGコングと正面から睨み合って引けをとらない、なんて芸当はジャクソンにしかできない。


脚本賞:

マイティーソー・バトルロイヤル

スパイダーマン・ホームカミング

両作品とも、アメコミヒーローという枠があり、それに加えてディズニーだからとってもたくさん制約があるはずなのに、それをクリアしてなおかつ面白く考えさえる。ひょうっとして日米で脚本というものに関してものすごい差が開いているのでは、と思う今日この頃。


ちょっと言及したくなったで賞:

LOGAN/ローガン

年老いたものは去り、次の世代が立ち上がる。なんともいえぬ寂しさと希望。


ゴッホ 最後の手紙

あの不安を感じさせる絵柄で90分きちんと見せる。真面目に敬意をもって。


M-16おじさん Skurge (played by Karl Urban) @マイティソー:バトルロイヤル

子供は、自分が映画のヒーローになれると思う。大人は自分が映画の端役にすらなれないと知る。


そして最後はみなさんお待ちかね。


観てしまったなかで最低映画賞:

美女と野獣

あれだけすばらしいアニメの見本がありながらなぜこんな映画を作ることができる。大根役者を主役に押し付けられたとはいえ、もう少しやりようがあったはず。

しかしエマ・ワトソンをこの映画に縛り付けることでLA LA LANDという歴史に残る傑作を世に送り出したのだから影の作品賞と言えるかもしれません。映画の中でガストンが発狂するとき、おそらく監督も発狂したのでしょう。大丈夫。この映画は沈没しても、LA LA LANDは歴史に残る。君のことは多分忘れるけど、とりあえずご苦労様。


今年も記憶に残る映画にたくさん出会うことができました。来年の「ごんざれふ賞」レースはもう始まっています。賄賂、裏工作大歓迎。さあ、みなさん受賞のために私に付け届けを送りましょう!いつでも喜んで受け取ります。

というわけで来年までさよーならー(ならー ならーならー 半畳の部屋に反響だけが残る)