Google Duplexが物語るもの

2018-05-14 07:06

考えてみたら、今年のMicrosoft BuildとGoogle I/Oは日程が連続していたのだな。Microsoft Buildが全く話題にならなかったのは気の毒だった。

数年前にGoogle I/OでGoogle Photoの無制限容量が発表された時には驚いた。それは実質的な驚きだったが今年はそういう類のものはなかった。しかし確かにこのデモは印象的だった。

Google Duplex

引用元:Engadget

実際の店員を相手に、電話で会話して予約をとったのである。コンピュータが音声認識と音声合成と会話制御を駆使して。

二つ目のデモが特に印象的だった。相手が明らかにトンチンカンな答えを返しているのだが、それでもちゃんと目的を達成した。その昔米国で電話で予約を取ろうと四苦八苦したことを思い出す。

思うにこのデモをみて「シンギュラリティだあ」と叫ぶ無邪気な若者はたくさんいると思う。それはそれでいいことだが、以下の内容もまた真実だろう。

Googleによると、この精度は電話予約という特定のタスクに対してAIをトレーニングしたため。人間が話しているようですが、話題を変えられても予約と挨拶しかできません。

引用元:Google、AIが喋って電話予約するシステムDuplex発表。外国語やネット予約不可でもアシスタント任せ - Engadget 日本版

つまりこれは高度なパターン認識であり、知能が存在するわけではない。そういう意味ではサイバネティックスなのだ。

Why not demo it live? Why only play recordings?

引用元:Daring Fireball: A Little Duplex Skepticism

なぜLIVEデモではないのか?成功率が低いんだと思う。おそらく今回出したのは最高にうまくいったチャンピョンデータだ。この技術が実際に搭載されて使われ始めた時、どのような評価になるかが楽しみ。

つまり

私が言いたいことはこうだ。確かにこのデモは驚嘆すべきもの。しかし逆の方からみれば「今のGoogleをもってしてもできることはこのレベル」とも言える。まだまだ道のりは遠い。