平成の牟田口

2018-05-16 07:32

星野監督が死去した途端「愛の鉄拳制裁」とか暴力行為を賛美する記事が増えたのも記憶に新しいところである。誰も死んだ人間を悪く言わないとはいうが、私にとって星野とは闘将ではなく平成の牟田口だ。

さて

平成も終わろうという頃、また牟田口がスポーツ界に現れた。

チームを率いる日大アメフト部の内田正人監督は、スポーツ紙の取材に対し、「力がないから、厳しくプレッシャーをかけている。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせているわたしの責任」と答えた。

引用元:アメフト「悪質タックル」で波紋 スポーツ庁に謝罪も - FNN.jpプライムオンライン

日大のFootball部が、悪質な反則を繰り返し行った。それに対する監督のコメントがこれである。

牟田口だから、景気のいいことをいって、問題が大きくなると雲隠れする。監督本人の意思だか大学の意思だか知らないが、彼はでてこない。

このニュースを読んだ時

「監督は認知症なのでは」

と思った。それくらいこの指示は馬鹿げている。しかし流れてくる情報が正しいとすれば、どうやらこれはチームの常識のようだ。

そのDLに対し、内田監督は試合出場の条件として関学大のQBに負傷をさせることを指示し、コーチAは「何をしてもいいから壊してこい」と指示した。

さらに試合直前、監督から再度、当該DLに対し前日と同様の指示があった。その後、コーチAから「やらないというのはないからな」と念押しされた。

当日の先発メンバー表には当該メンバーの名前はなかった。チームが動画サイトに上げているロッカールーム内のハドルで主将が当日の先発メンバーを発表する動画でも、当該選手の名前は確認できなかった。つまり、当該選手は関学大QBを『壊す』ためだけに出場の機会を与えられていた。

「皆、俺がやらせていることは分かっている。(周囲から反則プレーについて)何か聞かれたら、監督の指示だと言え」

試合後、反則プレーについて内田監督は選手全員に対しそう促した。
反則をした当該選手は泣いていたという。

引用元:日大蛮行プレーは監督とコーチの指示 複数関係者が証言:HUDDLE web (ハドルウェブ)

コーチも加担していたとすると、監督が認知症とかそういう問題ではない。哀れなのは日大の広報担当である。

  一方、日大の広報担当者は14日の取材に対し、「当然ですけれども、監督やコーチがああいったプレーを指示した事実はありませんし、それはありえません」と断言。その上で、該当の選手が故意に悪質なタックルをした事実もないとして、

「あくまでプレーは瞬間的なものですので、こちらとしては、今回の件は偶発的なアクシデントだったと認識しております」

引用元:全文表示 | アメフト「危険タックル」はチームの指示か 日大は否定も現役選手は「違和感」 : J-CASTニュース

あーあ、言っちゃったよ、というところか。誰が広報やってるか知らんけど。せめて「調査中です」とか言えばよかったものを。

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日本大学は早く監督をクビにして謝罪させるとかしないと、大学の問題になる。「日大のアメフットの選手が」ではなく「日本大学が」になるのだ。

そもそもなぜこんなにスポーツに投資しているか?簡単な話で「大学の評判を上げたいから」だと思う。高校野球の仙台育英じゃないんだから、その「真の目的」を忘れると「名声」は逆効果になる。

こういう牟田口は他の国にもいるのだろうか。それとも我が国で顕著に見られることなのだろうか。