秋風立ちぬ

2018-10-15 07:06

今から考えれば第3次人工知能ブームが頂点に達したのは2016年だった。そこでは多数の「人工知能芸人」が誕生した。生活のためか、もともとホラをふく性質があったのか、単に愚かなためかわからないが芸人はブームを煽りまくった。

世の中から期待されてたから、
肯定的な名前になっちゃったんでしょうね、きっと。
落ち着いて考えれば「これだけのこと」って
言えたはずなのに、
それを喋って仕事にしている人がすごく多いから。

引用元:「ヘンタイよいこ」新井紀子は明日への希望を忘れない。 - ほぼ日刊イトイ新聞

今雇用契約を結んでいる会社には「ゼミ」と称してお互いにおしえあう仕組みがある。そこで「数式もPythonも使わない野次馬的人工知能概論」というのをやろうとしており、しゃべるネタをあれこれ集めている。

そして「人工知能芸人」の主張を知り唖然とした。こんなことを言って彼らは金をもらっているのか。

調子のいいことを言う人、お調子者は必要なんだけど、
よく喋る説明の上手な人が
ぜんぶ職業になってしまっている。
「ただ喋ってる人」の価値は
下がった方がいいと思います。

引用元:「ヘンタイよいこ」新井紀子は明日への希望を忘れない。 - ほぼ日刊イトイ新聞

私は糸井氏より芸人たちについて厳しく見ている。彼らは大学で教鞭をとることで収入を得ている人であるならば、事実に対してより謙虚であるべきだ。

「人工知能芸」の中でも最大の傑作は「シンギュラリティ」だと思う。私はシンギュラリティは信仰であり宗教だと思っている。宗教ならばそのよるところの経典に明らかな矛盾がたくさん存在していようが、信仰の対象、そして支えとなりうる。

ちなみに「ディールラーニング」というのもある人にとってはツールの枠を超え信仰の対象となっているようだ。これについては別項で述べる。

我が国では信仰の自由が保障されているのだから、何を信じてもかまわない。しかし大人であるならばその結果に対して責任をもつことを自覚すべきだ。ガンの医療が信用できない。よし代替医療を信じよう。それは結構。結果はあなたの寿命で払ってもらう。その人の家族には迷惑だろうけど。

許せないのは

その「宗教」を煽り、自分は利益を得て「あとはしらないよ」とケツをまくる芸人たちである。いや、どんなブームでも利益を得るのはそうした「煽り屋」たちか。

「なんでもディープラーニングで解決できる気がする!」という幻想を持ち得た2014-2016年はすぎ、そろそろ何ができ、何ができないかがわかりつつある。ガートナーのハイプサイクルではAIは幻滅期に入ってきたようだ。私も秋風が吹くのを感じている。

社内でやるのは概論ゼミだから、調べた内容、考えたことを全て語るわけにはいかない。というわけで、このブログでぽちぽち書いていこうと思う。