オープンイノベーションに関する誤解

2018-10-05 07:07

「みんなでがんばろう!」と心から信じてしまうのが誤解である。

何がいいたいのか?この文章を読もう。

このことからも学べるように、オープンイノベーションにおいて目標とすべきはコラボレーションそのものではなく、まずは10社や20社と参加してくれるようなコミュニティをつくることにある。それにより、多様な視点から欠乏に気付いていき、エコシステムが拡大していく。

 また、コミュニティでは、プロダクトを共同開発するよりも、それぞれが有機的につながりながらも、企業ごとにビジネスを作り上げていく方が良いだろう。エルメスならアップルウオッチのベルトを、ナイキならコラボレーションモデルやアプリケーションを売る。エコシステムの中でビジネスをつくることで全体の収益が上がり、その市場自体が拡大していくのだ。

引用元:日本企業のオープンイノベーションに欠けているもの | ビジネスは「コミュニティ」からはじめよう|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

この記事で取り上げられているのは、Apple Watchである。発売のかなり前にバンドなどの仕様を後悔したため、ベルトを作ってくれたり、ナイキモデルができたりした、と。

それはいいことであり、商品の力を高めるのに役立つ。しかし肝心な点がこの記事にはかけている。中心にはApple Watchというしっかりした製品が存在していた、という事実だ。

それを忘れて

「とにかく皆が集まれる場所を作り、飲み会をやればイノベーションが生まれるだろう」

と考えるのは間違っている。議論すること、交流することは有益だがそれぞれが自分の中に核を持っていなければならない。いざとなれば一人でも一社でも製品を出せる。しかしそれをより広げる、磨く、新しい可能性を見つけるために交流が役立つのだ。

そうした「核」のない人間を何人集め、何回飲み会をやっても生まれるのは酔っ払いと飲み屋の請求書だけである。

烏合の衆から何かが生まれるはずもないし、そんなことは人類の歴史でよくわかっているはずなのに、なぜ「オープンイノベーション」という魔法の言葉をかけるとそれを忘れるかな。