第18回神奈川県高等学校器楽・管弦楽演奏会

2018-12-25 07:16

昨日標題の演奏会に行ってきた。神奈川県のいろいろな学校の中高生がが音楽を奏でるイベントである。そもそも一般の入場が可能かどうかわからなかったのだが、そんな心配は無用ですぐ3階席に案内された。

午前11時開演で、昼休憩までの間3階は満員で立ち見も相当でていた。アナウンスが「通路にいる人は座ってください」というが、そもそも座席がないのだから座りようがない。しかし午後からは問題なく座れた。どこか父兄の参加率が高い学校があったのだろうか。

でもって

印象に残ったことを適当に書いていく。

・ギターにいろいろな種類があるのに驚いた。まるでチェロのような巨大なものもある。同じくマンドリンも小さいのから大きいのまでいろいろある。

・ギター、マンドリンは楽器を保持するため、足を組むか、足をがばっと開かないと演奏できない。いきおい全員パンツルックの制服をきることになる。ある学校は足を載せる台を使っていたし、ある学校はみな足を組んでいた。歳をとると足を組むと膝にくるんだがなあと思って見ていた。

それとは関係なく、演奏用のおそろいの制服をきている学校が多いのには驚いた。最近の若者はスタイルがいいから似合うしかっこいい。男子学ランは森村だけだったかな。

・相模原中学の高校、中学ともに演奏が素晴らしかった。中学とかほぼ経験者がいない状態で、短い期間でよくあれだけの演奏が可能になると感心した。

・人数が多い学校もあり、少ない学校もある。コンクールの課題曲だったのか知らないが、弦楽合奏ではホルストのセントポール組曲がよく演奏された。同じ曲を複数の学校が演奏するとその差がくっきりとわかる。この曲は全楽器のユニゾンから始まり、そこからだんだん別れていく面白い構成だということがわかった。

・より腕に自信がある学校は芥川氏の弦楽のための3楽章を選ぶ。この曲で一番印象的だったのが、川和高校だった。別の学校と聴き比べ「おそらく入学時点ではあまり差がなかったものが、8ヶ月ー1年8ヶ月でどうしてここまで差がつくのか」と思って聞いていた。指導時間、指導方法などでこれだけ差がつくのか。

・フェアリーコンソートという聞きなれない部があり、ハープとフルートだけで演奏していた。この演奏も見事だったが、曲のレパートリーが狭まってしまうのではないかと無用な心配をした。しかし部が50年も続いているとのことなので、ちゃんと幅を持たせられるのだろう。ギターだけ、マンドリンだけの演奏の幅広さとも合わせ、音楽の幅の広さ、そこの深さに改めて感じ入った。

・鶴見大学附属中学高校は、トーンチャイムというやつで演奏していた。ハンドベルのようなものだ。下級生は二つしかふらないが、上級生は机の上にベルをずらっとならべ、持ち替えに忙しい。時々正しいものをバタバタ探しているように見えるものだから、観客ははらはらしてしまい演奏に集中できない。いや、上手なんだけどね。

・指揮者なしの演奏がいくつかあった。最後の3団体は大人数で全て指揮者なしだった。森村学園は指揮者なしでシューベルトの未完成をやっていたが、この曲を指揮者なしでやるのはチャレンジだなと思った。

逆に演奏はいまいちだが、先生がノリノリのものもあった。ほとんど先生がワルツ踊ってるし。

・弦楽器と管楽器がそろったオーケストラは2校だけで、緑ヶ丘高校はヘンゼルとグレーテル序曲をやっていた。しかしこの曲はちょっと高校生の金管楽器には荷が重いのではなかろうか。選曲というのは難しい。

・最後の3校-日本女子大附属、洗足、森村学園はいずれも人数演奏ともに聞き応えがあった。やはり大人数を揃えられる部というのはそれなりに指導もしっかりしているのだろう。理論的には少人数で質が高い演奏をするとことも可能なはずだが、高校生でそれは難しいのだろう。

一番人数が少なかったのは横須賀市立横須賀総合高校。室内楽で、長男がやっている室内楽を彷彿とさせる。彼らの工夫と苦労が伝わってくるようで応援しながら聞いた。やはりチェロがちゃんとしているとしっかり聴けるなあ。


というわけで、曲は短いし、学校がどんどんかわるし、聞いていて飽きない演奏会であった。来年があるとすれば、また来よう。