いつか来た道

2019-04-02 07:10

人工知能ブームが起こると、いろいろな企業が「我も我も」と人工知能研究所を設立する。そして業績が悪くなるとあっさり閉鎖する。

これは1980年代に何度もみた風景だ。そしてそれがまた繰り返される。

ドワンゴは3月31日、AI(人工知能)に関わる研究を行う「ドワンゴ人工知能研究所」を閉所したと発表した。2014年10月の発足から4年半で活動を終える。
 「次世代への贈り物となる人工知能の創造」をビジョンに掲げ、教育やエネルギー、環境、貧困、セキュリティ問題など人類の課題に貢献できる日本発の高度な人工知能の実現を目指していた。

引用元:「ドワンゴ人工知能研究所」が閉鎖 - ITmedia NEWS

ビジョンだ次世代だ日本発だと寝言を並べても所詮はファッションに過ぎない。

ここまででかいことを言って人工知能だ未来社会だと川上量生さんが言ったからには、ドワンゴの経営とは関係なく人工知能研究の最先端を走るプロジェクトを継続し、日本の研究環境を世界に誇れるぐらいにまで個人資産を投じてでも継続するべきだったのではないか、閉所するぐらいなら研究所ごと個人に払い下げてよかったのではないかとすら思います。

 結局は、人工知能も研究所も、川上量生さんにとっては、所詮はうまくいっているときに調子に乗った挙句のファッションに過ぎなかったのでしょうか。

引用元:ドワンゴ、川上量生さん肝いりの人工知能研究所の閉所を発表:川上量生さんとの訴訟を生暖かく見守る会 - ブロマガ

ちょっと収益が悪くなったら閉鎖するくらいなら最初からやらなければいいのに、と思うがまあファッションだから「ちょっと着て見たかった」ということなんだろうな。

繰り返される人工知能ブームで、学べることは多い。一つだけ確かなのは、勝つのは冬の間にじっと続けてきた組織/人間だということ。夏の間伸び続けた木の葉の色が代わり落ちる。勝負はここからなのだが、所詮ファッションだからそうは考えないんだろうな。

そもそもこのドワンゴに関していえばスタートから間違っている。

山川宏所長は、これまでの研究や人材育成などを通して「脳型汎用人工知能の開発にむけた礎を築けてきたと考えております」とコメント。今後も「Beneficialな脳型汎用人工知能の実現に資するように努力を続けていきたい」としている。

引用元:「ドワンゴ人工知能研究所」が閉鎖 - ITmedia NEWS

汎用型人工知能とかいう看板をかかげた時点で、実用性、将来性皆無のファッションだということは誰の目にも明らか、ではない。だからこういうことが繰り返される。

今度は何十年後に来るだろう。そして私はその時生きているんだろうか。