頭の中のJony Ive

2019-06-28 08:16

Steve Jobsが亡くなってからかなりの年月が経つ。しかし今だに

「Jobsがいれば」

と頭の中にJobsを飼っている人がいるのには驚く。そういう人は、Steve Jobsがどう考えるか理解できるんだ。すごいなー(棒読み)

とはいえそろそろそれも賞味期限が切れそうなとき、AppleからJony Iveが退社するというニュースが流れてきた。思うにこれからは

「Jonyがいれば」

と頭の中にJony Iveを飼う人が増えるのではなかろうか。

あたりまえのことだが、企業の寿命は人間の寿命とは無関係である。人間の寿命よりはるかい短く滅んでしまうものも多いが、成功すれば代をついで存在する。そのためには人間の代替わりがどうしても必要だ。

というわけで私の感想は

I don’t worry that Apple is in trouble because Jony Ive is leaving; I worry that Apple is in trouble because he’s not being replaced.

引用元:Daring Fireball: Jony Ive Is Leaving Apple

この意見に近い。Jony Iveが去るからといってAppleが問題に陥るとは思わない。もし彼が持っていた職能がちゃんと代替されないとすればそれが問題だ。

Steve Jobsが生きていた間、年に一度の開発者会議の内容は全て秘密事項で、開発者はそれについておおっぴらに話すことも許されなかった。

それが是正されるまでに長い時間がかかったが、今やWWDC(開発者会議)に参加できなくても、何が発表されたかは1日程度の遅れで知ることができるし、どんどん議論も可能である。どんな優秀な人間でも欠点や誤りがないわけがない。

というわけで、長年のApple原理主義者としては、これからのAppleがどうなるかを興味深く見守りたいと思うのだ。