「人工知能ってなんだか怖い!」から始める人工知能概論

2019-10-28 07:17

「人工知能ってなんだか怖い!」から始める人工知能概論という本をAmazon Kindleで出しました。


表紙

書いているうちに気がついたのですが、一時の狂ったような「ディープラーニングなんでもできる!すごい!」という言説はかなり落ち着いてますね。今頃出しても時期を逸しているか。しかし書くのに時間がかかったのです。しょうがない。

「人工知能が将来人間の仕事を奪う」という不穏な言葉をあちこちで聞く。「人工知能ってなんだかわからないが怖い!」と思う人もいるだろう。この本はそうした人たちに向けて書いた。取り上げる問いは以下の二つである。

 最近世間で騒がれている人工知能は一体どういうものなのか

人工知能は今後どうなっていくのか

本書では「正確性、網羅性」より「なんとなくわかる」ことを重視した。だから詳しい人が読んだらフラストレーションで倒れること確実である。穴だらけだし、最後まで読んでも数式もプログラムも一行もでてこない。 しかし「人工知能について全く知らないが興味はある」という人が読めば「まあだいたいこういうことなのね」と心の平穏を得られるのではないか。少なくとも私はそれを願っている。 私は長年人戸知能に仕事を奪って欲しいと願っていた。洗濯物を畳んで部屋に配るとか、奥様の曖昧な命令に従いご飯を作るがその出来がお気に召さないとお叱りを受けるとかそういう仕事を是非奪って欲しいのだ。 しかし事実は尊重しなければならない。私が生きている間はそれは無理。これが本書の結論。

いや待て、とあなたは反論するかもしれない。人工知能の可能性と脅威について述べている人がたくさんいるではないか。しかもどう考えても貴様(私のことだ)より社会的地位が高い人たちがそう言っている。その人達の言葉を捨てて貴様の言葉に耳を傾けなくてはならない理由はなんなのか。 私の考えではこうした「人工知能脅威論」の根底にある動機は以下の三つのパターンに分類できる。

1.人工知能に関して全く無知であり、勉強しようという意欲もない。ただそのイメージに自分の願望や主張を投影するのが楽しい。

 2.薄々「よく言えば誇張、悪く言えば嘘」ということに気が付いているが、騒ぎが大きくなると自分の利益になるため、常に逃げ道を準備しながら騒ぎに加わる。

 3. 現状の人工知能について論文を書くほど詳しい。しかし将来の予想になると途端に無責任になり己のファンタジーを語らずにいられない。 私はなぜこのような結論に至ったのか。

最近人工知能と呼ばれているものは、どういうものなのか。何ができて何ができないのか。研究が進み今認識されている問題が克服されたとしたら何が起こるのか。改めて考えることは何よりも自分にとって興味深いことです。第2次人工知能ブームの時の本も読みましたが、煽り文句がそっくりなのに笑いました。人口知能ブームと資本主義のバブルは似ているかもしれません。人間の愚かさを忘れ「今度は違う」と勘違いをするのにはある程度の時間が必要なのでしょう。私が生きている間に第4次を見ることができるかな?

このブログで何度か取り上げている「人工知能芸人」への言及もでてきます。メディアにでまくりの東大教授とか、疑似科学と戦う元教授にして、シンギュラリティを熱く語る人とか。人間というのは興味深いものです。

定価は三百円。一冊売れるごとに、私がランチ時にダイエットコークを飲めるという仕組みです。Kindle Unlimitedに登録している人なら無料で全部読めます。

ご興味があり、三百円をおしまいない方はどうぞ。