駐車が好きな人

2019-10-04 07:27

車を運転するのが好きな人はいると思う(私はあまり好きではない)しかし駐車が好きな人はいないと思う。(少数の例外を除いて)しかし車を運転する以上、なんらかの形で駐車という作業を避けることはできない。皆が面倒だと思いながら「そういうものだ」と諦めている。

最近よく考えることだが、大きな変革とかヒットはこうした「皆が諦めている不便」を解消することで生まれる。iPhone登場以前にもスマホは存在した。ゴミだったが、皆そういうものだと思っていたのだ。いわゆるガラケーも存在していた。ゴミだったが、皆そういうものだと思っていたのだ。いきなり何を言い出したかというとこのニュース。

立体駐車場だって、決していいものではない。近くにある駐車場を探し出してクルマで向かい、らせん状のスロープを延々と回りながら駐車スペースを探すのは、人間にとって時間の浪費でしかない。おっと急げ!あの駐車スペースが空いているぞ──と思っても、実は小さな「ミニ」が隠れて停まっていたりするのだ。

こうした駐車の問題について技術者たちは、自律走行車によって解決できると考えている。ドライヴァーが目的地で降りたあとに自律走行車が自ら駐車スペースを探しに行き、帰路につくときには迎えに来てくれるわけだ。

引用元:自律走行の未来は公道ではなく、「駐車場」にあるかもしれない──近づいてきた完全自動駐車の実現可能性|WIRED.jp

イーロンマスクを除いて、自律走行車が数年以内に運転という作業から我々を解放してくれると思う人はいない。しかし人間を原理的には排除でき、しかも高速で走行する必要がなく、道路の完全な地図を比較的容易に構築できる駐車場ならそれが可能かもしれない。

少数の「乗り降りするところ」だけ用意しておき、あとは車が走って勝手に駐車し、戻ってきてくれる。これだったら私が生きている間に実現できそうな気がする(簡単ではないだろうが)そうすると「なんで駐車なんて面倒なことをしていたのだろう」と誰もが懐かしむ時代がくるのかもしれない。

他にもこういう「誰もが諦めている不便」はいくつもある。諦めるからにはそれなりの理由があり、解決は簡単ではない。しかしまず問題はそこにあるのだ。