Make some noise

2019-12-03 07:30

父が亡くなる1っヶ月前に言った。「五郎は何か言いたいことがあるのはわかる。でも男なんだから(はっきりといいなさい)」

というわけで私は自分の意見をはっきりと言わない。しかし時々口が滑って自分でも驚くようなことを口にする。先日社内の勉強会でこう言った。

「お前らその場の思いつきを付箋に書いてペタペタ貼ればイノベーションが起こると思ってんのか!」

いや、実際の口調はもっと穏やかだったけど言いたことはこれだ。

ペルソナとかカスタマージャーニーが大嫌いだ。その有用性はわかる。しかしそれは「現在の顧客像」を明らかにするだけ。イノベーションとは世の中を変革するものであり、いくら現在の姿を定義し、多くの人間の間で共有しやすくしたところで、何の役にもたたない。

なのに「デザインなんちゃら」といえば、とにかく付箋に思いつきを書いて貼りまくり、それをまとめて投票すれば「さあ、これがイノベーションです」ということになっている。もっとも肝心な要素については滅多に言及されない。

「何を付箋に書くのか。」

付箋に貴賎はない、とデザインなんちゃらの専門家ならいうだろう。批判禁止。じゃあなにか。適当な戯言を付箋に書いて並べればそれがイノベーションなのか?

「何を付箋に書くのか?」「いいアイディアとそうでないアイディアのの違いはなんなのか?」「いいアイディアを出せるようにするためには何が必要なのか?」

こうした問題を全て置き去りにしとにかく「さあ模造紙にアイディアを貼りましょう」と呼びかける人間が漏れなく嫌いである。

じゃあお前はどう考えているのか?そう考えてようやくSteve Jobsがプレゼンで言っていた「テクノロジーとリベラルアーツの交点」という意味がわかったような気がしたのだが、それについてはまた次回(次回があるのか)