会社で出世する方法

2020-02-26 07:33

無駄に長い社会人生活でいろいろな人を見てきた。そして今や「会社で出世する方法」についてかなりの確信をもって語ることができる。

まず「関係ない」ことからいこう。その人の能力。これは全く意味がない。次に同僚、部下の人望、これも無意味だ。前者に関してはちゃんと調査結果がでている。

意外かもしれないが、いま大きな成果を上げているからといって、職が安泰とは限らない。私はさまざまな業種で大勢の企業幹部のコーチングを担当するなかで、成果を上げていた人が職を失った事例を、たくさん目の当たりにしてきた。

 この点にはデータの裏づけもある。ジャック・ゼンガーとジョセフ・フォークマンの研究によると、解雇された人の77%は、その前年に勤務評定で好ましい評価を受けていた。この研究では、解雇の判断にさまざまな要素が関係してくることを明らかにしている。

引用元:あなたが解雇を言い渡される4つの兆候 どれほど成果を上げても安泰ではない | HBR.org翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

じゃあ何が関係するのか?その場所において人事権を握っている人間の趣味。これ以外にはない。その人間に気に入られていれば、どんなに無能で、どんなに部下から嫌われていても出世する。いい例が破綻したリーマンブラザーズのCOOだ。

マクドナルドさんによれば、不動産市場が暴落寸前だとの警告は2005年ごろからあり、当時のリチャード・ファルド(Richard Fuld)最高経営責任者(CEO)やジョセフ・グレゴリー(Joseph Gregory)社長兼最高執行責任者(COO)の耳にも入っていた。ところが、上層部は警告に耳を貸さず、何の行動も起こさなかったという。

「社員2万4992人が稼いだ金を、たった8人の幹部が台無しにしたんだ」

引用元:リーマン・ショックから1年、元トップトレーダーが明かす破たんの内幕 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

様々な評伝によればこのCOOは仕事はできず、いうことはでたらめで人事は無茶苦茶。では何ができたかといえば、CEOであるファルドの無二の親友であることだったのだそうな。それだけで彼はCOOという地位を得て、かつ巨額の富を築いた。

別にこれはリーマンブラザーズに限った話ではない。サラリーマンとはそうしたものだ。公正な人事評価とか悪い冗談でしかない。なぜ人事部勤の人はあんな無意味なことを続けられるのか不思議でしょうがない。

もっと面白いのは、この方式がそれなりに機能することだ。こうなると好悪の判断というのは我々が思っているよりもずっと高度な判断ではないかと思える節があるのだが、それについては以下次項。