家電今昔物語

2020-12-10 07:12

三十年前私はアメリカにいた。そしてアメリカの会社が家電を作っていないことに驚いた。日本の家電は圧倒的世界一だった。その地位がゆらぐことなどありえず、いつ世界を制服するのだろう、と思っていた。

smartwatch

スマートウォッチの世界シェアの図である。日本メーカーは影も形もない。「そのほか(有象無象)」の中にうもれてしまっている。こんな日が来るとは。

對馬氏:はい。やっぱり時計は垂直統合よりも水平分業のほうが相性がいいと思っています。服や靴など、身に着けるものって人によって全部違いますよね。でもパソコンやスマートフォンは同じじゃないですか。身に着けるものとそうじゃないものには、そこに違いがあるんじゃないかと思うんですよね。全員が同じもの身に着けるっていう世界には、なかなかなりにくいかなと思ってます。

引用元:【事業開発の達人たち】目指すは時計界のGoogle?--ソニー最年少統括課長がしかけるエコシステム戦略 - CNET Japan

ちなみに親愛なるソニーも何か作っているらしい。ビジョンを語り理念を語るのも結構だが、少し遠くからみれば見えなくなるほど微小な存在。

こんな日が来るとはなあ。

そういえばパソコンも水平分業だ!垂直統合しかしないAppleはダメだ!とか言われていたなあ。三十年前は。そして今私はこの文章をCPU、ハードウェア、OS,アプリと見事なまでに垂直統合されたMacBook Airで書いている。その速度は、生み出す体験は圧倒的。まだApple CPUの第1世代だというのに。

長い歴史の中でMacがWindows(とかDOS)に対してこれほどまでの基礎体力-性能、バッテリの持続時間-のアドバンテージを持ったことはなかった。(いっときPower PCがその夢を語っていたが)遠からずWindows Machineは「冗談パソコン」としてしか認識されなくなるんじゃないだろうか。

こんな日がくるとはなあ。