防衛費の定義

2021-04-13 06:20

自衛隊相手の仕事をしていて何度も思った

「日本は平和だなあ」

私はミサイルを作っていたので、自分が作ったものが一度も使われないまま破棄されることを心から願う稀な職業だったと思う。そしてそれを使う人たちのマインドも平和そのものだった。日本の防衛産業というのは米国産と同じ物を十年遅れて十倍くらいの値段で売りつける商売。

そうやって平和に暮らしているのは平和時に限られる。そして「敵」は銃や大砲を持って攻めてくる他国ばかりではない。

ウィルスによる被害が発生することは誰もが知っていた。しかし日本はその「敵」に対して備えることをせずに使いもしない戦車やら戦闘機を作ることにうつつを抜かしていた。

そこにCOVID-19が発生した。自前でワクチンを開発できたか?できなかった。

もちろん、日本の製薬会社は規模が欧米に比べて小さいとか、バイオ医薬品の潮流に全体として乗り遅れたとか、そういった理由もあるでしょう。ただ今回、欧米で接種が始まっているメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンにしても、ウイルスベクターワクチンにしても、日本にそうしたプロジェクトをやるベンチャーや製薬会社がなかったのは、産官学でそうした基盤を育ててこなかったからです。その点については、欧米に学ぶところは多いと思います。

 また、緊急事態だという割には、緊急時に備える制度が不十分という点もあります。米国では、Emergency Use Authorization(EUA、緊急使用許可)という、通常の薬事承認ではない制度があります。今、日本で接種が始まっている米ファイザーのワクチンなどは、通常の承認ではなくてEUAを受けています。

 いわば、「平時」と「戦時」の体制の違いが、日本と欧米との間で際立ってしまったと思います。

引用元:国産ワクチン、なぜ出てこない? 塩野義・手代木社長に聞く(日経ビジネス) - Yahoo!ニュース

OK.ワクチン開発で全く歯がたたなかったことはいいとしよう。そうやって狼狽えた挙句、株券印刷しか能がない会社に金を注ぎ込んでしまったことも苦笑いですませよう。

「開発者自身が効かない可能性すら言及しているワクチン」
「こんな惨憺たる状況で一体どこが国産ワクチンの国内生産まで漕ぎ着けることができるのか」
「このアンジェスに93.8億円という莫大な予算がつけられている」
「予算がついた過程も極めて不透明」
「アンジェス創業者は安倍前総理のゴルフ友達」
「タイムスケジュールも完全に壊れている」
「税金の無駄使いに見える」
「吉村大阪知事もあれだけ煽って前言を翻した」
「世界の学者から笑われている」

引用元:株券印刷業大手のアンジェス、「開発者が効かない可能性すら言及している大阪ワクチンに莫大な税金を投入し世界中の学者から笑われている」と国会で槍玉に : 市況かぶ全力2階建

じゃあ海外からのワクチン確保をしなければならない。そのための熾烈な「戦い」が予想される。どの国も自国の利益を優先する。しかし国民を守るためにはそれが必要なのだ。

ではその「ワクチン争奪戦」の結果はどうだったか?

ワクチン接種回数


惨憺たる結果としかいいようがない。そりゃ権謀術数にたけた欧米や、常に戦時体制にあるイスラエルに歯が立たないのはいいとしてチリにも大きく遅れをとっているのはどういうことか?

日本でこの実態が問題になっていないのは、いまだに正体不明の「要因X」が日本に存在しそれほどひどい状態になっていないからだ。(嘘だと思うなら、アメリカのニュースを見てみるとよい。マンボウとかそんなのが冗談に思えてくるから)

というわけで私は提言したい。防衛費を削ってワクチン製造の能力アップに回すべき。戦闘機やら戦車が必要になる事態より、次の感染症が襲ってくる可能性のほうがはるかに高い。呑気に「次世代戦闘機の開発」とかやっている場合ではない。これは起こりうる戦争なのだ。