キャッシュレスの未来

2021-06-15 08:14

最近世の中に流行っているDXという言葉がある。あるのだが、何を言っているのかさっぱりわからない。しかしここで定義をあれこれしてもしょうがないので「なんだか情報処理技術を使って達成するいいこと」と考えている。

とはいっても、情報処理技術を使えば世の中がよくなるかといえば、そんなことはない。日常生活において私が敵対視するDXが少なくとも二つある。Microsoft TeamsとQRコードを使った決済、特にPaypayである。今日書きたいのはPaypayだ。なぜ書くかといえば、ようやく「改善」の兆しが見えてきたからである。

背景について述べる。私の家の近くのはOKというとてもものを安く売ってくれる素晴らしいスーパーマーケットがある。OKがなければ我が家の家計は成り立たないほど。そしてここ数年の間に「セミセルフレジ」が導入された。品物の登録までは店の人がやってくれて、お金を払うのは自分というやつだ。

これがあると「1万円はいります」「一緒にご確認ください」とかやらずに済む。私は大好きである。しかしこのセミセルフレジの流れを堰き止める敵が存在している。Paypayだ。

Paypayが実際どのような手続きを行なっているかは知らない。しかしなにやら数字を打ち込みそれをレジの人に確認してもらい、さらに数字を打ち込む。その間レジの流れは止まってしまう。現金ならばお客さんが自分で行える支払いに店の人の手をわずらわせなければならないのだ。

だから私はPaypayを敵対視している。使っているのが慣れていない人だと最悪であり、かつ「一万円を超えると一度で決済できないんですよ」とかなった日にはレジに並んでいる人間全員から殴る蹴るの暴行を受けても誰も被害を主張できないと私は信じる。

さて

この面倒にして人を不幸にする支払いシステムがなぜOKで使えているといえば、この面倒な支払い方法を使ってもOKクラブカードを見せれば3%相当の割引が受けられるからだ。勘違いしないでほしい。私はキャッシュレスに異を唱えているわけではない。Suicaは大好きだ。OKでピッとタッチするだけで支払えてなおかつ「3%割引が受けられる」ならば喜んでSuicaで支払う。

問題は

このPaypayというシステムがユーザにとって便利ではないということ。単にボーナスやらなんやらの札束でお客のほっぺたを引っ叩いているだけである。支払いは面倒であり、前述したようにレジの流れを堰き止めレジに並んでいる全員から憎悪の視線を向けられる。

しかし

先日うれしい貼り紙を見つけた。各種QRコード決済でも3%相当の割引が受けられます、という張り紙に追記があったのだ。

「6/30まで」

現行QRコード決済は各社手数料をとっていないという。しかしそれも限界だ、というか最初からどこかで手数料を徴収始めるのは分かりきっていたこと。

QRコードやバーコードを使った、いわゆる「コード決済」事業者の加盟店手数料が話題になっている。例えばPayPayの場合、2021年9月30日までは一律無料で、10月1日以降の有料化を予告している。

引用元:まもなく始まる? コード決済手数料有料化。手数料は“悪”なのか【鈴木淳也のPay Attention】-Impress Watch

したがってOKがQRコードを使用した人間に対して3%相当の割引を止めるのは真っ当な話。そこでぜひ今PaypayをOKで使って他人に迷惑をかけている人に考えてもらいたいのだ。それでもあなたはOKでPaypayを使いますか?

このQRコード決済というものは、日本のITにおけるどうしようもない状況を凝縮している。技術的には何も進歩していない。誰の問題を解決しているわけでもない。ただ一時凌ぎの現金ばらまきで人を集めればあとはなんとかなるだろう、という態度。

こんなDXはとっとと廃止されるべきであり、今年の秋以降はその傾向が下加速すると期待している。