宗教という害悪

2021-06-23 08:43

いや、多分私は物事を単純化しすぎている。宗教にもいろいろな種類があり、単純に宗教=害悪と決めつけられるわけではない。しかしこれを読むと多くのヒンズー教徒以外の人は嘆息するのではなかろうか。

多くの人々は、信仰心こそがコロナから身を護るのだと信じた。1ヶ月間にわたる祭典が幕を開けると、マスクなしで河岸に密集して沐浴に勤しむ姿が日常風景となった。当初から「スーパースプレッダーイベント(大規模感染を引き起こすイベント)になるのでは」との懸念が示されていたものの、2月に感染者が減少傾向にあった慢心もあり、人々は楽観的であった。政府としてもヒンズー教指導者らの反発を懸念し、特段の規制を敷くことはなかった。

結果としてクンブメーラは、前後して行われた大規模な選挙運動と相まって、インド感染第2波の被害を明らかに拡大した。1日あたりの新規感染者数は最盛期で40万人を超え、世界でも例のない規模に達する。感染爆発による酸素不足と葬儀場不足により、世界でも有数の混乱を引き起こしたのは既報のとおりだ。

引用元:インドの「スーパースプレッダーイベント」、虚偽のコロナ検査記録10万件発覚|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

もちろん宗教に関係なくても、反ワクチン運動とか、ワクチンをうつと5G電波で行動を支配されるとか滑稽な言説は枚挙に遑がない。しかし宗教というのはその性質上一つの行動規範を理屈を超えて伝搬させることに長けており、そしてそれが客観的事実と相反するとき、状況は悲惨なものになる。

この愚行を止められたのはヒンズー教の指導者たちだったのかもしれない(どんな人かは知らないが)そしてこれもおそらくだが、指導者たちの不作為によって何十万人もの人が死んだとしても、彼らと彼女たち(本当?)が罪に問われることもあるまい。

そう考えれば、オリンピックの開催について自由に文句を言える我が国はまだ状況的にマシなのかもしれない。

丸川珠代五輪相は22日の閣議後記者会見で、東京五輪・パラリンピックの会場で酒類販売が検討されていることについて、「大会の性質上、ステークホルダー(利害関係者)の存在がどうしてもあるので、(大会)組織委員会としてはそのことを念頭に検討すると思う」と述べた。

引用元:五輪会場の酒販売、五輪相「ステークホルダーの存在が」 - 東京オリンピック [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

五輪会場で酔っ払い歓声をあげる人たちと、その人たちを怨嗟の視線で見つめる飲食店の人たちという絵柄を見たかった気もちょっとだけするのだ。今回のオリンピックがどういうものであったかを後世に残すよい映像になったと思うのだが。

どうしてもオリンピックをやりたいみたいだから、人が気が付かないうちにさっさとやってさっさと終わって欲しいと思うのだ。有力メディアも「オリンピック開催反対」というのであれば、まずは報道をやめるところから始めてはいかがだろうか。

すっかり高校名の宣伝手段と化した全国高校野球大会も、これを期に報道を他の高校スポーツ並みにする、、とはいかんのが我が国の日常だが。