第3次人工知能ブームの終焉

2021-07-28 10:43

二度の人口知能ブームを体験したので、結構自信を持って語ることができる。人工知能ブームが始まると、「人工知能すごいです」と語る人がたくさんでてきてブームの到来を知ることができる。しかしその終焉をアナウンスしてくれる人は滅多にいない。なので私が宣言することにする。第3次人口知能ブームは終焉した。

引用元:人工知能は生命と同じく「目」を手に入れ、爆発的に進化する――AI研究の第一人者・松尾教授が語る企業と消費者のコミュニケーション変革

これはたった五年前に、「AI研究の第一人者」松尾教授が講演で使った人工知能の発展予想図である。今は2021年だから、「ロボット、機械に熟練した動きができる」状態にあり、自動運転、物流・建設の自動化、製造の効率化が試みられているはずだ。すごいなあ(棒読み)

人工知能詐欺師とはいえ、なんの根拠もなしにこんな予想をしたわけではない。当時それの「タネ」くらいは存在したのだ。少し前のことになるが、ロボットの手が人間に教えられなくても自分で学習し、ルービックキューブを解いたというニュースが流れた。すごいぞ。人工知能を使えばロボットが自動的に学習してくれるんだ!松尾教授もおそらくその可能性に胸を膨らませ、ついでに話までちょっと膨らませたのだろう。

そして先日このアナウンスがあった。

人工知能を研究する非営利団体のOpenAI(オープンエーアイ)からは、ロボット工学チームをひっそりと解散させたという、あまり楽しくないニュースも聞こえてきた。この動きは2020年10月から見られたものの、Venture Beat(ベンチャー・ビート)が米国時間7月16日にそれを報じた。OpenAIのロボット工学チームは、ルービックキューブを解くロボットハンドでよく知られていた。それは魅力的なプロジェクトだったが、どうやら行き詰まってしまったようだ。

引用元:Techcrunch

人工知能の現状というのは「確かに時々階段を一つ登ることができる。しかしそもそも階段が何段あるのか誰にもわからない状態」である。しかし階段を一段上るとそれに「これは画期的だ!このまま階段を登っていけばすぐにも人工知能が実現するぞ」と夢を描き詐欺を働く人間が跋扈する。それが人工知能ブームというもの。

そして「確かに階段を一つ上ったけれど、次の階段をどうやって登るのか、そおそも次の階段が何かすらよくわからない」状態に戻る。今はその状態にある。ブームの到来とともにたくさん開設された「人工知能研究所」はひっそりと閉鎖される。

しかし

第2次と違うのは、誇大広告は別としていくつもの実際的な応用例が残ったこと。どうラベルを貼ろうとも、音声認識、画像認識の精度は高まり現実世界にインパクトを与えている。

しかし

シンギュラリティだあ!などと喚きちらした人達はただ沈黙し忘却するだけで、「シンギュラリティはどうなったのか」について語ってはくれない。あと四年で実用的な言語理解が開発されると人前で述べていた教授も何も語ってくれない。