三菱のDNA

2021-07-15 07:09

学校をでて初めて勤めたのは三菱重工だった。そこに十年ちょっと勤務した。仕事で三菱電機、三菱自動車と付き合いがあった。

その両方の「三菱」が隠蔽、嘘、捏造で話題になっている。そして三菱電機ではこういう呼びかけがなされているのだそうな。

三菱電機の検査不正問題をめぐり、引責辞任を表明した杉山武史社長が13日、社内向けのメッセージを出した。グループの信頼を回復する最後のチャンスだとして、原因や同様の事例の有無についての調査に協力するよう要請した。不正行為を自ら申告した社員は、懲戒処分の対象外にするとした。

(中略)

複数の関係者によると、社員向けの動画がこの日配信された。杉山氏は30年以上続いた不正について、これまでの調査で把握できなかったことを「痛恨の極み」だとした。「現場で起きている不都合な事実をこれを機にすべて出し切ってもらいたい」と呼びかけた。

 実態をつかむため、全社員にアンケートする方針だ。社員のパソコンのデータも分析する方向で、削除されたメールなどを復元する「デジタルフォレンジック」を想定しているとみられる。

引用元:三菱電機社長、社員に呼びかけ 「不都合な事実出して」:朝日新聞デジタル

「みなさん。今度こそ本当のことを言ってください」というわけだが、こんな呼びかけは三菱自動車で何度も行われている。これは想像だがそういう呼びかけがなされるたび、内部ではこういう会話がなされていると思う。

「今度はどこまで嘘をつけばいいいんですか」

「不正行為を申告すれば懲戒処分の対象外とする」とか言われてもその言葉を真に受ける人はいまい。不正行為を真面目に申告なんかした日にはどんな「報復」が待っているか判ったものではない。密やかに業務評価を落とすとか方法はいくらでもある。かといって何も言わないでは格好がつかない。というわけで

「まあこれくらいだったら、申告しても大きな問題になるまい」

という嘘が厳選、承認されて報告されることになるのではないか。

だいたい「申告してもらいたい」といいながら、社員のPCを全て分析するというのは「どうせ本当のことを言わないだろうから」と最初から想定しているようなものだ。しかし思うにこの「PCの分析」にもいろいろ手心が加わるのではないだろうかね。

一社の、しかもたった十年ちょっと経験を元に無責任なことを述べてはいかんと思う。しかしだいたい「三菱」と名がつく会社ではそんなことになるのでは、と想像するのだ。現に三菱自動車では何度も何度も捏造が表沙汰になり、最後は日産の傘下に入らざるを得なくなった。三菱電機も同じ道を辿るのか、それよりはうまくやるのかは今の時点ではわからない。