やるなら徹底的に

2022-01-03 11:01

SDGsとかESGとかいろいろな略語が飛び交う昨今である。前にも書いたような気がするが、安易にそれらの略語を掲げる組織とか個人を私は警戒する。99%ろくなものではないからだ。私が知っている限りほとんどの企業がそれらを掲げていても、それについて話し合う会合がもたれ、プレスリリースネタにはなるが、実質的なビジネスへのインパクトはほとんど0の試みが仰々しく発表されるだけ。

私はそれらの略語が目指すところがけしからんと言っているのでは無い。やるなら真面目に、徹底的にやれ、と言いたい。このtweetのように

昨日アップルストアで応対して下さったスタッフが目の見えない方だった。恐らくインカム(音声)と連動していたのだと思うが、iPhoneを手探りで上手に操りながら、受取り商品の確認から事前決済のフィニッシュ、受け渡しまでが自然に行われるのを見て率直に驚いた。さすがにアップルは進んでいるなぁと

障がいを持つものもそうでないものも平等な機会があるべきだ。そう考えるのならデモンストレーションではなく、仰々しく発表しなくともこのようん実際の店舗で同じ業務に企業としてチャレンジするべきだ。この一つのTweetが意味するところは金をかけ仰々しく行われる記者会見よりはるかに大きい。

同様に企業がカーボンニュートラルを掲げるのであれば、真面目にやる方法はいくらの思いつくはずだ。マイクロソフトのように海中に沈めるデータセンターコンテナを試みるもよし、Appleのように取り組むもよし。

風力および太陽光発電は世界の多くの場所で利用できる最もコスト効率の高い新しい電力源ですが、これらの技術には発電の中断という問題が内在するため広く積極的に採用されるには至っていません。発電の中断に対する当社の解決策がエネルギーの貯蔵です。これにより生成したエネルギーを必要な時まで保持できます。Appleはカリフォルニア州で発電所規模のエネルギー貯蔵施設に投資しながら、新たなエネルギー貯蔵テクノロジーの研究も並行して進めています。サンタクララバレーに設置した複数の分散型貯蔵施設から、Apple Park 内のマイクログリッドまで利用しながら、私たちの推進力は決してとどまることはありません。

「自然エネルギーを語るなら、電力貯蔵システムとペアで語れ」とは私が兼ねてから主張しているところ。こんな当たり前のことから目をそらした自然エネルギー崇拝者は多いが、Appleはそこから目を逸らしてはいない。

欲を言えばAppleには膨大な資金があるのだから、アリゾナの砂漠に巨大な重力式電力貯蔵システムの一つでも作ってほしいと思うがそれは望みすぎが。

問題は

こうした「やるなら徹底的に」が日本の企業に一番欠けているものではないかと思うからだ。そしてそれが欠けているが故に日本は長い降り坂から抜け出ることができない。

SDGsとかESGとか当社は興味がない、と断言していただくのも結構。徹底的にやるのも良い。一番悪いのは「世間でうるさいからまあお付き合い程度に」という日本的態度だ。