プチ人工知能ブーム

2023-04-07 06:20

第3次人工知能ブームが第2次と違うのは、「人工知能」かどうかは別として、ちゃんと役にたつ成果がでていることにある。とはいえ「何ができるかをちゃんと調べ、使う人」と「何も勉強せずに騒ぐ人」が混在しているのはいつのブームでも変わらない。

イーロン・マスク氏(51)が、人工知能の発達は歯止めのきかない深刻なリスクを人類社会へ及ぼすと、警鐘を鳴らした。

この文章を引用し「こんな脅威が!」と誇らしげに(そう、「誇らしげに」)書いている人がいた。私は「イーロン・マスクは人工知能に関してはアレですからねえ」と書いた。

ほんの少しでも情報を漁った人なら、マスクが人工知能に関して過大評価をしていることを知っている。例をあげようか?マスクが「Teslaはあと数ヶ月で自動運転を実現する」と何度宣言したかわからない。そしていまだにTeslaは自動運転とは程遠い状況にある。

というわけで、「とにかく騒ぎたい」人には何を言っても無駄なので、「?」と思っている人に向けて。最近chatGPTなる「まるで人間のように何を聞いても返してくれる」システムが話題である。若者は新規提案というと「chatGPT=どらえもん」のような提案をしてくる。chatGPTはそんなにすごいのか?

プロンプトエンジニアリング

入力(プロンプト)を工夫して性能をあげようというアプローチ。
機械学習系で精度アップといえば、追加学習させたりモデルを拡張するのですが、LLMではモデルが大き過ぎてコストが洒落になりません。
そのような事情からプロンプト側を工夫することで、回答に直接影響を与えるという手法が発達しています。

少し考えてほしいのだが、本当にchatGPTがドラえもんのような「人工知能」ならば、なぜ「プロンプトエンジニアリング」なる怪しげな言葉が存在しているのか?平たくいえば「聞き方を工夫しないとまともな答えが返ってこない」という話。「人口知能」ってそういうものだっけ?

現在の答えはYesである。堂々とかつ雄弁に嘘をつくchatGPTは、同類の人間を大量に惹きつける。それゆえ、今私が給料をもらっている会社ではchatGPTは高く評価されている。

そう考えれば、chatGPTは人間の識別に使えるのではなかろうか。chatGPTとしばらく「対話」させるとその人間の中身が知れる、と。