五 郎の 入り口に戻る
日付:2012/8/5
目 次に戻る
ここからは当日の様子について自分が書いたブログの文章を引用する。
-------------------
というわけで先週の土曜日は楽天テクノロジーカンファレンスだった。
楽天技術研究所が主体になって年に一度イベントをやっていることは知っていたが参加したことはなかった。過去2年くらいは「学会の派生系」のようなイメージだったのだけどね。
今年は広報ページからして英語である。私はライトニングトーク(4分のプレゼン)に申し込んだのだが、これも英語でやれ、とのこと。去年のライトニングトークのUstreamをみると、最初の2枚だけ英語であと日本語とかやっていたようだが、今年はそんなことはあるまい。
最初申し込むと「申し込多数の場合はCompetitionをやって発表者を決めます」と書いてある。そもそもそんなにたくさん申し込みあるんだろうか。英語だし、と思っていること一週間。「おめでとう。Competitionに通ったよ」と通知が来る。これって定型文なのか、本当にCompetitionをやったのか。まあそんなことは気にしないことにしよう。
これまでは、論文を出してもらって査読とかやっていたようだが、今年はそもそも一般発表がない。(ライトニングトークを除いて)最初から招待した人に講演をしてもらうようだ。
------------
というわけで11時過ぎに楽天につく。いたるところに、ピンクのシャツを来た人がたっており、誘導してくれる。実に親切だ。本日こうした運営側のホスピタリティには率直に感動した。
一番最初のプログラムは「カフェテリアでのランチ」丁度私が入ったところからオープンだったようだ。魚のから揚げのようなものを頼んだ。その後から来た人たちが食べるのを見ていたが、皆一様に
「スマホを取り出し写真をとってから食べる」
をやっていたのが笑えた。
それからセッション開始の12時までは少し間がある。ぼんやりと座る。この日はカフェテリアに隣接した部屋でのセッションを聞いていた。以下感想をずらずらと。
(感想省略)
午前のセッションが終わったところで、楽天CEO三木谷氏の講演がある。もともと聞くきは無かったのだが、社員と思しき人達が口々に「皆様、4Fにおいでください」と呼びかける。そりゃCEOの講演があるのに、参加者が他の場所で屯していては困るわな。
彼らと彼女達の努力に敬意を表して4Fに向かう。ちなみにエレベーターには全て楽天社員が乗っており、何階にまいります、とアナウンスしてくれる。いや、すばらしい。今や滅多にお目にかかれないエレベータガールがいるかのようだ。
三木谷氏の講演は途中から聞いた。前に何かの記事で「三木谷氏自信あまり英語はうまくない」と聞いたことがあったのだが、発音はなかなかきれいだった。しかしプレゼンとして平板であったことは否めない。
この日私が「楽天」から受けた印象というのは、三木谷氏のスピーチによるものではないく、このカンファレンスを作りあげた楽天社員一人一人のホスピタリティから受けた物が大きい。このことはまた後で(以下略)
というわけで講演を聞くと13Fに戻る。
(午後の感想省略)
このあとライトニングトークの会場である4Fに降りる。例によって
「ああ、俺は何をしてるんだ。こんなことをせずに子どもと遊んでいればよかったじゃないか」
と後悔の念にさいなまれる。
しばしの後ライトニングトークの時間となる。PCをかかえて前に行く。今回使うのは「本邦初公開」のプレゼンシステムGozenである。もっともそんなことを気にしているのは世界広しと言えども私だけである。何が問題かといえば、このソフトを長時間立ち上げておいたことがないことにようやく気がついたからだ。つまりプレゼンのあまり前にソフトを立ち上げあると、本番の時に動かないかもしれないのだ(理由は省略)
などと不安を抱えながら、案内された座席に座る。
順番がだんだん近づいてくる。前の人が発表をしている最中に、次の人は前に案内され、自分のPCを使う場合は既に接続をしておく。いや、ここらへんのサポートは実に素晴らしい。昼ごろに接続確認をやったのだが、専門の人がついており、本体とのミラーリングでやるのか、2nd ディスプレイとして使うのか、その場合の解像度は、とかちゃんと打ち合わせ済みである。
制限時間は4分。超過するとドラがなる仕組みである。いつも思うのだが、こういうとき余裕で時間オーバーする人ってどういう準備をしてるんだろうね。4分だから、10分もあれば2回は練習ができるし、どれだけ時間がかかるかもわかるだろうに。
というわけでとうとう私の前の人になる。PCを接続するとあとは運を天に任せるしかない。前の人のプレゼンを見ていると、ああ、こういうのが受けるんだろうなと思う。
というわけで拍手とともに前の人がおしまい。PCをもってよたよたと演台に立つ。
Hi, My name is Goro Otsubo
と練習通りしゃべる。私のプレゼンは、日本語訳が画面に表示されるので親切とも言えるし、(自分で言うか)アドリブが効かないとも言える。
途中何度か言葉を間違えたが、基本的には練習通りいった。笑いを取ろうとしたところでもちゃんと笑いが起こったし。会場を見渡すが、ちゃんと顔をあげて聞いてくれているようだ。
聞く方にとっては、たった4分であるが、しゃべる方にとっては永遠とも言えるほど長い時間だ。しかし何事にも終わりは来る。Thanks,といい演台を降りる。
すべての発表が終わると、Rakuten awardの表彰。しかし私は一人でぼんやりしたい気分である。13Fに行こうとかと思ったが、Beer Bashの準備でいけないようだ。仕方がないから1Fに降りる。
英語を話す白人二人が同じエレベータに乗っている。こちらを見ると
「ああ、あの不動産のなんとかを発表していたね」と話しかけてくれた。Yesその通りです。あれはおもしろいねえと言ってくれる。デザインも開発も自分でやったのか?と問われるので「そのとおり。まあ一人プロジェクトだね」と答える。
この時、今日英語で発表をした意義が初めて実感できたと思う。こういうふうに「あれは面白かったよ」と声をかけてくれる日本人は滅多にいない。いたとしても、お互い顔を知っている場合が多い。(そもそもお前の話がつまらんのではないか、という可能性もあるが無視する)
英語でしゃべることにより、そうした英語圏の人にも聞いてもらい反応をもらうことができたわけだ。これは大きな収穫だった。
さて1Fでしばしぼんやりした後、13Fに戻る。人がたくさんいて大混雑である。とりあえず何か食べるものを、ということでおとなしく列に並ぶ。皿に目一杯食料をとると、座る場所を探す。ここで思いもかけず知り合いにあうことができた。座ると話しながらひたすら食べる。
そのうちAwardの発表がある。ライトニングトークをした人は前へ、と言われるので前に行く。ここで別の発表者から「あれはおもしろかったよ」と声をかけてもらえた(これも英語圏の人だった)
そしてライトニングトーク賞の発表。なるほどこういうのが賞をとるんだなあと思う。それが終わると脱兎のごとくエレベータを駆け下りる。このあとまだ予定があるのだ。
-------------------
というわけで多大な不安にさいなまれながらも、この日のプレゼンはノートラブル(私の言い間違いなどは除く)で乗り切れた。今回作成したシステムでそもそもプレゼン表示用画面がちゃんと表示できるか不安だった。世の中にはいろいな種類のディスプレイがあるようなのだが、それに対応できるか検証しようがなかったためだ。幸運にして今のところちゃんと動いているが、これが将来も続くとは限らない。というか、もし当日つないで「動かないじゃないか」となったらどうするつもりだったのだろう、と自分でも不思議に思う。
従来のスライドを使ったソフトであの字幕を表示しようと思うとものすごく大変なはずだが、誰もその点については気にしていないようだった。まあいいや。というわけで私は心静かに次の作業に移る。ソフトを大改造(表向きは変わらないにしても中身は大幅に)する必要があるのだ。
前の章 | 次の章