題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2004/2/28


古井の天狗山 : 岐阜県(2004/3/27)

古井と書いて「こび」と読む。いつもながら読みづらい駅名までの切符を注文するのは大変なのだが、今日は自動販売機で買えたもんね、などと誰に向かって私はしゃべっているのだろう。

とにかく3月の晴れた土曜日、私は電車にのってひたすら北に向かう。千種という駅から多治見に行き、乗り換えて更に北に向かい古井駅に降りたわけだ。駅のホームにある「近くの観光名所」によれば東北1kmのところに目的地がある筈なのだが、そもそも東北とはどちらだ。

ちょうどお昼時だったので、自分の影をたよりに線路に沿った(と自分が信じている方向)に歩き出す。小さな町があり、あまり見たこともないような何を売っているのかよくわからない店が何軒かある。

そのうち広い車道と河に突き当たった。まさかこの河をわたれというのではあるまいな。さて、どうしたものか。歩いた時間から計算すればもうついていてもいいはずなのだが、目的地らしきものは何も見あたらない。

しかたがないからカンに従い広い車道にそってしばらく歩く。すると大きな矢印がでていた。どうもだいぶ行き過ぎてしまったようだ。ええい、と自分のいい加減さを呪いながら来た方向に歩き出す。途中なにやら参道とかいう看板もあったのだが、ここで少し得をしようとしてえらい目にあう、というのもいつものことだ。素直に看板の命じるとおり歩き続ける。すると「第五駐車場」なる物が見えてきた。なるほど、こちらで正しいようだと安心するとともに今日の目的地が割とメジャーである事を知り驚く。

そこからしばらく歩くと正真正銘の入り口が見えてきた。少し進むといきなりこんなものがある。

ここは天狗山と呼ばれており、とにかく天狗がうじゃうじゃいる。なんでも八十年前に荒薙教という宗教が作られ、ここに開山したらしい。鳥居と反対側、少し入ったところに教祖様とおぼしき人の墓らしきものがある。

他に何があるだろうと思い見回せばいきなりこんなものとご対面だ。

巨大天狗である。手前にあるのは大天狗礼拝所なのだそうな。こうやって遠くから眺めると結構かっこいいのだが、近くから見上げると顔がゆがんでいるようにも見える。あと頭がでかいかな。

さて、というわけでいよいよ鳥居をくぐり進んでいく。そこら中に天狗がおり、最初は「わーい」と写真を撮っていたのだがそのうち何も感じなくなってしまった。そうは言ってもこの天狗はなにやらカラオケでも歌っているように見えたので写真を撮りました。

その先には神殿がある。正面といい内部の壁といいとにかく天狗の面がびっしりと覆っている。

中央にはボスキャラのような天狗が座っており、その前にはなにやら巾着袋のようなものがある。正式名称は「お願袋」だがどうやら普通の神社仏閣でいうところの賽銭箱らしい。願い事のそのための料金を納めるらしいのだが、お金だけ放り込んでおきました。

といったところで天狗山見物はおしまい。帰りはあっというまについてしまいました。古井駅から進行方向線路にそって歩き、左に曲がって踏切をわたればすぐついたのだなあ、と今更わかってもなんともならぬのだが。

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注釈