日付:2004/7/28
花とシネマのドリームランド:北海道夕張市(2004/7/17)
約30ヘクタールの広大な敷地に四季折々の花、およそ12万株が咲き競う花の楽園。映画にちなんだモニュメントなどによる巧みな演出が、優雅な別天地を創り出しています。
四季の移り変わりや配色、花の形やイメージなどに配慮した植栽の妙が見どころ。 -夕張市のサイトよりここはおうちを何百キロ。私は夕張市に向かって車を走らせている。そう、私にしては珍しく車で珍スポットに向かっているのだ。夕張と言えばメロンと炭坑。メロンはわかるが何故炭坑なのかは自分でも思い出せない。等と考えているうちに町の中心地とおぼしき場所にさしかかったのだが、妙な事に気がつく。映画の看板がでているなあ、と思っていたのだがそれらがどう考えても今上映しているはずのない古い物なのだ。
この後知ったのだが夕張市は何かと映画と縁があるらしい。そういえば昔の映画館にはこうした大きな絵が掛かっていた物だ。中には
「これはいったいだれだ」
というものもあったが、あれを描いていた人たちはどうしたのだろうか。
2000年に盛岡で撮影した看板
サザエさんに「斜陽で仕事がへったなあ」と看板職人(こんな言葉があるかどうか知らないが)が嘆くネタがあったが。
そんなことを考えながらも私はまだ先に向かう。石炭と歴史のなんとか、というところの駐車場にはいると500円払う。車を降りてくてく歩き出す。炭坑のあれこれ、ロボットのそれこれもあるのだが、それらには目をくれない。少し歩くとかなり上方に今日の目的地が見えてきた。いくらなんでもあれは遠すぎるのではないか。その瞬間はっと気がつく。今日行く場所はこの石炭と歴史のなんとかの一部だと思っていたのだが、そうではない。別の場所なのか。ええい、と車に戻ると再び運転を始める。
坂を登ること少し、ようやく入り口が見えてきた。ゲートらしきものがあるのだが、それが妙に寂れている。嫌な予感にとらわれながら進むとやはりそうだった。
美しい花園だなどと言っている場合ではない。周りの網は鳥がどうのこうのであって、お花はちゃんと公開されている。しかし私はお花を見に来たのではない。某サイトによれば、以前ここには巨大なサウンド・オブ・ミュージックの人たちの看板が存在していたのだ。それはあとかたもなく消え去っている。何か建物があると思い近寄ってみれば張り紙がある。
そんなこと言ったって石炭のところは遠いし、駐車場料金取られるし。
ええい。この場所の名称後半にある「シネマ」はどこにいったのだ、と思うのだがそれはちゃんと存在していた。
那須戦争博物館が称するところの「九〇年式改良戦車」であるが、実態は映画撮影用に作られた模造戦車である。右手には説明看板があったようだが、表面が外されており、何が書かれていたかはわからない。後ろから見ると砲塔に穴があいており、中がなんとなく見える。
おまけに2両の間には蜘蛛の巣まで張っている。まあ人も来ないのだろう、と思っていると私の他に一台車が来た。しかし降りないで去っていった。私もふと自分の行動を振り返る。北海道に来て、一生懸命ドライブし続けて私は何を見に来たのだ。ああ、模造戦車の砲塔がでかい。北海道の空が大きい。
いや、ここで自分の行動に疑問を持ってどうする。珍スポットの道は孤独の道、無言の道だ。そう自分に言い聞かせると再びハンドルを握る。今日の目的地はもう一つある。
-これは帰ってから知ったのだが。。。私が入り口の看板まで観てよらなかった「幸せの黄色いハンカチロケ地」というのはこれは正真正銘インパクトのある場所だったらしい。なんということだ。はるばる夕張まで行きながら大を見過ごし無くなりかかった小だけ観て帰ったとは。もう一度夕張に行く機会は、、あと数十年はなさそうだなあ。。