題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2006/1/18


七寳寺:大阪府(2005/12/31)

目覚めた私は迷うことなくチェックアウトし、駅に向かう。昨日新大阪についた時私は

「とにかく次の目的地の近くに行こう」

という一念で凝り固まっていたのであった。というわけで梅田に行き電車を乗り換え妙見口というところを目指す。どうやらその駅から山に登ったと ころに初詣の行き先があるらしく、ケーブルカーは終夜運転なのだそうな。この調子であれば何か泊まる場所の一つくらいあるか、などと今から考えれば馬鹿げ た考えにとりつかれながら先を急ぐ。辺りは暗くなってくる。妙見口で降りてみれば、そこは正真正銘山の入り口であり、ボタン鍋の店はあるが泊まるような場 所はない。ええい、と電車に乗ったものの別に当てがあるわけではない。しょうがないから以前出張で使った場所に泊まった。決して安くはなかったし、おまけ に飯を食べる場所は全部閉まっている。食べられそうなものを探すとなんでも口に放り込む。後から気が付いたのだが素直に新大阪で泊まっておけばずっと安 く、かつご飯だってちゃんと食べられたものを。

というわけだからあまり調子はよろしくない。とりあえず駅のコンビニであれこれ買って食べる。ああ、サンドイッチがうまい。どう考えても昨日の 行動は馬鹿の極みだったが、一つだけいいことがあった。今日どうやって電車に乗るか分かっている点だ。しかし電車をおりて途方に暮れる。ここからどうやっ て目的地に行けばいいのだ。いや、私とて今日の目的地のサイトからアクセス方法をプリントアウトして持参するくらいのことはやっている。問題はそれが古い 情報であり、そこに示されたバスの路線は既に存在してないということなのだ。

というわけで朝まだ日が昇らぬ寒い無人駅で私はバスの路線図を眺め続ける。プリントアウトにあるのは京都交通バスだが、現在通っているのは阪急 バス。えーっとえーっと。しかしそのうち気が付く。どうやら今日の目的地への最寄りバス停は通るようではないか。そのバスが来るのは50分後だがとりあえ ずこれに乗ればたどり着けるのではなかろうか。

というわけでひたすら待つ。外は寒いので駅の待合室に入る。外より少し暖かい。どうやら小さなエアコンが動いているようだ。やれありがたや、と 思うがそのうちそれでも寒いことに気が付く。すると間もなくバスがやってきた。まだ出発時間までには間があるが、何故かエンジンをかけ、扉を空いたまま停 車している。これでは私がバスを盗もうと思えば盗めてしまうではないか。はたして乗って善い物やらとしばらく迷ったが、辺りの寒気から身を守るのにはここ に乗るのが一番だ。文句を言われたら降りればいいや、と思いずけずけ乗り込む。そのうち運転手が無言のまま乗車してきた。時間になると出発である。

目的地のサイトに掲載されていた地図を見ると、あたかも妙見口から歩けるかのように錯覚しかねないが、そんなことは不可能である事にすぐ気が付 く。そう簡単に目的地には着かない。加えて雪がたくさん残っており、歩くのは大変そうだ。(後で知ったことだがこのエリアは12/22-23に陸の孤島と 化したらしい)バスは快調に進んでいくが、果たしてこの路線は正しいのか。しかしその疑問はそのうち解消されることとなった。今日の目的地2カ所が遠くに 見えてきたのである。

巨大な燈籠と金色に光る大観音、それに右手山の中腹には何かが見えるがあれも今日の目的地だろう。

というわけで安心してバスに揺られ続ける。最初は私の貸し切りだったが途中で誰かが乗ってきた。七面口というバス停で降りる。こちら、と思しき方に歩き出す。

サイトには「七面口降りてすぐ」と書いてあったのだが、なかなかそれらしきものが見えてこない。途中に寺があり、人形供養か何かをしてくれるら しいのだが、今日の目的地はここではない。坂をずんずん上がっていく。はたしてここでいいのか。不安ににかられぜーぜー言いながら坂を登る。しかしそのう ち看板がでてきた。ここだここだ。

というわけで目的地は確認できたのだが、登り坂は続いている。じぐざぐに登ったりとにかく前に進む。するととにかくたくさん仏像がでてくる。少し広くなったところはこんな感じ。

わーいわーいと喜んでいると左手に大観音が立っている事に気が付き驚愕する。これは別の角度から撮った物だが、その大きさが分かるだろうか。

先ほど金色に輝いて観えたのはこの観音像であったか。奥の方には大仏に通じる道があるようだが「本堂にお参りしてから」と書いてあるので、素直 に本堂と思しき方向に進む。階段をとことこ上るとまた広いところに出た。今度は木の板で作られた舞台のようなところである。お堂があるのだが、左右に仁王 像が据え付けられているのが面白いところ。

また階段の脇にポケモンのキャラクター達がいるのもの見逃せない。こういうのってやっぱり子供向けなんでしょうかね。でもって隣のお堂前にはこんなお地蔵さんがいる。

チューリップハットと言っても若い人にはわからんだろうな。振り返れば大観音のお顔が見える。その他にもいろいろ見える。

左の三つの像は手すりからはみ出している。この場所には雪がたくさん残っており、歩くのに注意を要する。平らなところはいいのだが、奥に進もう とすると板の坂を登らなくてはならぬ。数歩進んだところで手すりにすがろうとする。足がすべる。四つんばいになる前に手すりに手がとどいたのは幸運だっ た。その少し先には「ここより上は修行場につき許可なき物は立ち入り禁止」の看板とともに天狗さんが二人門を守っている。

私は許可を得ていないので立ち入り禁止である。その先には七福神がいたり日本の神々三十番神がいたりするのだが、あまりの仏像の嵐に感覚が麻痺しているので、ちょっと写真をとっただけで歩き続ける。しかし道のつきあたりにたっているこの巨大観音の前では少し足が止まる。

足がとまる理由は巨大さの他にもある。色があざやかで最近作られたのではないかと思えるところ。あと手に持っているのは何だろう、と頭をひねっている暇はない。先を急がねばならぬ。

そこからの上り坂の途中にショートカットの道がある。登って行くと例によってこんな像がいる。

千手観音もいるのだが、もはや巨大観音にも不感症になってしまったようだ。その先には大仏に続く階段がある。階段の両脇には五百羅漢がいる。大仏の前には風神、雷神もいます。

ここの五百羅漢には一つ特徴がある。ちゃんと番号がふられていることだ。はて、階段は250段ありここだけで500羅漢かと思えばそうではな い。はて、残りは、と思う間もなく大仏様とご対面である。っと思ったら大仏様のアップを撮影していないではないか。完全に感覚が麻痺していたのだろう。

その少し先には十二支をモチーフにした像が並んでいる。基本的に地蔵様が十二支の動物と戯れているのだが、これはちょっとまずいのではないかと思う。

だって馬の首ちょんぎってますから。そこから緩やかな下り坂を少しいったところにまたもや羅漢の大群がいる。

皆で何を観ているのだろう、と思えば...なるほど。

この像は平成12年に作られたとのこと。新しいせいもあるだろうが、手入れが行き届いており、実に綺麗だ。ちなみにこの像の脇に祈念すべき500号さんがいらっしゃいました。

といったところで七寶寺はおしまい。坂を下りながら時計をみればまだ9時を少しまわったところ。私はあるいやな予感にとらわれながら次の目的地へと急いだ。

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注釈