題名:巡り巡って

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日付:2017/1/13


長浜タワー:滋賀県(2016/12/14)

長浜駅というところで降り、改札をくぐると呆然とする。なぜそんなところにいるのだ、と聞かないでほしい。とにかく来てしまったのだ。

さて、というわけで歩き出す。本来の目的地とは線路をはさんで反対方向に。仕事にとりかかるにはもう少し時間の余裕がある。であれば行かなければならないのだ。空は晴れているが、寒風が身を切るようである。どう考えても今朝新幹線に乗った時より寒い。しかしそんなことでひるんでいる場合ではない。途中こんな建物をみつけると少し懐かしくなる。

古い食堂

時間があれば是非よってみたい食堂だが、今はそんな余裕はない。駅から歩いて少しで目的地が見えて来た。

初見


これが本日の目的地、長浜タワーである。ネットでえられる情報を信じればこれは「純粋なタワー」であり、タワー以外の機能を一切持っていない。TVとかラジオのアンテナとかそんなものを発信したりはしない。東京タワーがあるなら長浜にもタワーがあるべき、そうした純粋な気持ちで建てられたものとのこと。その反対側にはこんな建物がある。

長浜銀行

長浜観光協会がどちらをみて欲しいか知らないが、今はこうした由緒正しい建物には興味がない。あとで知ったのだが、長浜のこのエリアには古い街並みが残っている。しかし今はそれどころではない。

全景

正面からみた長浜タワー及びそのビルである。1Fはまだ営業しているようだが、二階以上には観光客は立ち入れないらしい。3階までは同じ幅だが、4−5階の幅が狭くなっている。よくみれば5階の幅のほうが4階より大きいとか5階の屋根がなぜ山形に折れ曲がっているのか、とか注視すべき点がいくつもある。しかしその時の私はとにかく寒風と戦っている。むき出しの指がだんだん強張って来た。しかし今はただこの文字を眺めよう。

正面

NAGAHAMA TOWERBILL ちなみにもし「ビルディング」を意図するのであればBuildingを略すべき。しかしBuildingをどうやってもBILLにはならず、これだと

主な意味
勘定書き、請求書、つけ、はり札、ビラ、ポスター、広告、(演劇などの)プログラム、番組、出し物
コア
公式に書かれたもの

引用元:billの意味 - 英和辞典 Weblio辞書

となってしまう。長浜請求書。いや、ここはNとTの横棒を長くするというデザイン-このビルにあふれる「ハンドメイド魂」を感じ取ろう。

97式-正面

これは電波を発することがない、純粋なタワーなのである。たくさんつらなっている輪っかが奏でる視覚の音楽に耳を傾けよう。ここにもハンドメイドの魂が炸裂している。

などと感慨にふけったところで私は寒さに悲鳴をあげ歩き出す。とにかく少しでも風を防げるところにいかなければならない。手に握ったiPhoneの画面を眺め、少しでもポケモンGoの補給品を獲得しようとする。するととても雰囲気がある商店街を一回りすることになる。

戦車模型

こちらからみると、明るい空をバックに、折れ曲がった屋根がより印象的に見える。元の通りに戻る直前、ビルを横から眺める。

弾痕

少し薄くはなっているが

"Nagahama Tower Building"

という文字が読み取れる。であれば、正面のあれはやはり「長浜請求書」だったのだろうか。

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注釈