電車展

2006-02-17 09:01



一週間遅れで書くのもなんだが、電車展(http://densha-ten.jp/index.html)に行ってきた。


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いくつか覚えていることを書いておく。


「発車オーライト」:電車が近づくにつれ、光が走っていく。それに合わせて走っていけば電車に間に合う、というもの。


今は「おっ、電車の音がする」と走り出す。すると反対側のホームに来た電車だったりしてがっかりする、という問題が有る。光を走らせれば確かにどちらに来たかは解る。


しかしこれを設置すると間違いなく起こるのが「駆け込み乗車の増大」ではないかと思う。そりゃ光が走っていけば走るし、階段はとぶわな。その点については?と聞くとあまり明確な答えが返って来なかった。学生さんがおもいつかないのはまあいいとして、JRは何もコメントしないのか。


 「ロゴモーション」:電車の移動に合わせて、情報を閲覧したり書き込んだりできるシステム。単純そのものだが、使われるシーンをよく考えてあり、「使える」と思う内容。ただし問題は膨大な「公序良俗に反する書き込み」をフィルタリングするかだ。


 「デモコン」:電車の中が暑い、寒いという意見があるとき、携帯電話からの投票で温度を設定できるようにしよう、という試み。


意図はわかるが問題もある。「誰にとっても快適な温度」は存在しないだろう、という点だ。私は暑いと思う。隣の人間は寒いと思っている。二人が話しているときは「空調が悪いですね」で怒りを顔を見えない車掌にぶつけているから平和である。


ところが「お互いで決めよう」とした途端、怒りの対象が乗客に向けられる。そして世の中には「自分の一票は下賎な大衆の1000票より価値が有る」と頭から信じている人間はたくさんいるのだ。


トークセッション:博報堂生活総合研究所の山本貴代氏が「女性は駅に対してネガティブなイメージを持っている」と述べていた。内容は大変面白い。


聞いているうち「駅自体が悪いのではなく、”会社への入り口”として捉えられてしまうのがいけないのではないか」と思い出した。もう一人の方が発言していた「サードプレイス(家でも会社でもない場所)になればいいのかな。どうするかは知らんが。


女性の電車に対する苦情で「酔っ払いにからまれた」「吐かれた」というのが多いというのは驚き。こういうのは男性にはわからんが、とても不愉快なものだろう。電車男のヒットで、「酔っ払いに絡まれる女性を助ける男」が増えることを。


あと女性専用車両について「乗りにくい」(70代女性)という意見と「女性の敵は女性。頭のてっぺんからつまさきまでじろじろ見られた」(70代女性)という意見も男性には想像もつかない内容だった。


概して研究展示は「考えてみました」レベルで止まっているものが多かったように思う。「よく考えられている」というものももちろんあったのだが。思い付きが製品にならないのは


「そうした発想がない」


という原因のほかに


「実現できない尤もな理由が有る」


場合もある。後者の「尤もな理由」をすっとばして提案だけされても困る、と私がJRの人間なら言うところだ。


トークセッションは面白かった。私はこういうトークというものを「食わず嫌い」している人なのだが、その認識を改めるべきである、と感じた。


個人的には「席を譲ってくれオーラ、と譲ってもいいですぜオーラ」をいそやかに出せるインタフェースがないかと思っている。


席を譲ろうか、と思うときにはいつも心の中で葛藤する。この人は実はみかけより若いのではないか?元気そうなのに席をゆずられて気分を害しないか?勇気をだしてゆずったところで「すぐ降ります」といってとにかく座らない人も多い。


逆に妊娠初期の人は外見からはそうとしれないが本人はとてもつらい(らしい)そして妊娠後期の人がどれだけ大変か、ということは自分の奥さんが妊娠するまで知らなかったことだ。


こういう「秘めた願望」をオーラのように提示できないか、というのが長年持っている問題意識。