優秀な人材を確保、とどこも言うけれど
2006-02-20 08:37
私が仕事で使わせてもらったソフトウェアだけでもMecab, Tiny SVM。他にいくつもきわめて有用なソフトを開発・公開している
工藤拓氏。それにNamazuを初めこれまたいくつものソフトウェア開発、それにBinary2.0、スクリーンセーバーセーバーの高林哲氏。この二人とも現在Googleで働いている、、ような気がする。
根拠:
Google 、名大に来る。
この二人がSony CSLでもNTTでも富士通でもNECでも日立でもあるいは名も無き日本のベンチャーでもなくてGoogleで働いているのだ。
彼らが書いたり発表したりしたものを読んでいる立場からすれば、これは実に「当然」なことなのかもしれない。工藤氏が書いた「研究者と技術者の乖離」にはこんな一節がある。
先日研究者として有名なある方とお話する機会があったのだが、
『Google のどこがすごいの、固有値計算してるだけやん』
とおっしゃていた。大学の教授で、ばりばりの研究土壌の人なら分からなくはないが、
企業研究者としてのこの発言には少々がっかりした。
その方は,ウェブ科学を研究テーマになさっているが、SEO, RSS , Adsense といった
最新キーワードをほとんど知らなかった。というか興味なさそうだった。
研究者と技術者の乖離を垣間見た。
個人的には、こういう研究者がいるから、企業のそして日本の総合的な技術力が
伸びないないし、技術者が冷遇され続けるのだと思う。
私が知る限り工藤氏は一旦NTTに就職したはずだ。そしてこのエントリーを読めばそこから離れた理由も(勝手に)納得がいくというもの。
しかし
この現実を「危機」と捉えている日本企業は存在するのだろうか?あるいは知ったような顔で
「優秀な人材の外国企業への流出は今に始まったことじゃない」
と言っておしまいにするのだろうか。では、そうした日本企業が集めている研究者はなんなのか。優秀でなくても、とりあえず会社の言うことを聞き、会社がだした問題に80点の解答をする人間がそろっていればいいのか。
と現在は企業の研究開発をやっている子会社(ふれこみは少なくともそうだ)で働いているサラリーマンは書くのでした。。