論文をたくさん書く方法
2006-02-20 10:40
ハッカーと画家 より
論文の数を増やす最良の方法は、間違った仮定から出発することだ。 AI研究の多くはこの規則の良い例だ。知識が、抽象概念を引数に取る述語論理式のリストで表現できる、と仮定して始めれば、それを動かすためにたくさんの論文を書くことになるだろう。
大笑い。
この文章は味わい深い、、というか少なくとも私には考えるネタをたくさん与えてくれそうなので、この後何度か引用するかもしれない(そう宣言だけしてしないかもしれない)まあそれはそれとしてとりあえず笑ったところを。
ここ2-3年論文なるものを書いて査読してもらう、ということをやりはじめた。このシステムは長い年月をかけて作り上げられたものだと思う(本当は知らん)というわけでメリットもあるのだが(社外の人間にコメントをもらえるのは貴重だ)なんだこれは、ということもある。
例えばこの引用部分に書かれていること。根本の仮定が全くの間違いで、かつそれがほぼ明確になりつつあった、としてもその分野に何故か望みを抱いている査読者に当たれば、その論文は良い評価を受けるだろう。逆に「仮定が間違い」ということが定説となっていない時期に「そりゃ間違いだぞ」と書いたところでけちょんぱんにけなされるだけだろう。
向かい合って殴りあう、とかボールを特定の部分に入れる、とかいう競技ならともかく、この論文査読というやつはフィギュアスケートの採点よりも曖昧なものだと思う。間違った仮定だろうが、それを信奉する査読者にあたればそれでOKなのだ。
研究会などに行くと時々「何故こんな仮説に基づいた研究が続けられているんだ」と思うことがある。それを信奉する人が評価する側に存在する限り、その論文は死ぬことは無い。現実には何の役に立たなかったとしても。