社員が独創性に欠ける
2006-04-03 08:12
マルハグループ本社は4月、社内ベンチャー制度を導入する。支援規模は最大5億円で、水産などグループで展開している以外の事業も積極的に受け付ける。「社員が独創性に欠ける」といった危機感が経営陣の間で高まっているといい、新たな社内風土形成へ新制度を役立てる。
私サラリーマン生活20周年を向かえたわけですが、こういう類の「うちの社員には独創性がない。だから独創的な提案を歓迎する」という御触れには何度も遭遇しているわけです。
でもってとりあえずこう問いたい
「その独創性に欠ける社員を作り出したのは誰なのか」
常識的に考えれば、社風を作り出したのは経営者なわけです。だから「経営者」って言うんでしょ。
つまり私の経験によれば
「社員に独創性が欠けると嘆き、もっと独創的な提案を出せ、と言う人間ほど社員の独創性を抑圧している」
という図柄が成り立つことが多い、というか経験した範囲では全ての場合に当てはまるわけです。
しかしながらそうした「経営者」はこの図柄を決して自覚はしない。自分はこんなに一生懸命やっているのに、社員どもの独創性の無さといったら、、と嘆き続ける。
同じことは「社訓」の類にも言え、「お役所、もしくはお役所企業ほど”造反の薦め”を奨励することが多い」という経験則もあります。
この二つの経験則に共通するのはここで「要求」されている「独創性」ならびに「造反」を文字通りの意味に受け取るのは愚か者のすることで
「会社ならびに経営者が理解でき、かつ許容できる範囲の独創性、及び造反」と読まなければならない。従って会社、ならびに経営者が世間的な常識から遥か離れたところに存在している人たちだとすれば、「常識的に考えてみれば馬鹿げているが、彼らが理解できる内容」を提案するのが良いでしょう。
「若い人の自由な発想」を生かして例えばGoogle辺りで新規ビジネスになりそうな提案をしたってほとんどの場合無駄です。
今日から新社会人という人も多いでしょう。万が一「新社会人」がこのエントリーを読んでいたら、この内容を心に留めておいてください。