こういうことを本当に言える人と

2006-12-11 09:57



戦うのはしんどいことだろうなあ。。


任天堂 岩田聡社長インタビュー(3)あえてロードマップから外れたWiiの設計より。



竹田(竹田玄洋氏、任天堂専務)にその(案の)話をした時、「それは(テクノロジ)ロードマップから外れろってことですよね」と言うんです。私は「はい、ロードマップから外れましょう」と答えて(笑)。


 次に、ロードマップから外れるという、とんでもない話を、今度は開発パートナーのIBMさんやNECさんやATIさんにするわけです。みなさん、最初はまず固まるんですよ(笑)。



会社向けの資料でよく「他社動向」とか「ロードマップ」を載せる。というか親会社のフォーマットにのっとった「ロードマップ」がないと、それだけで拒絶されるくらいだ。


しかしそうした「ロードマップ」は私の意見では「思考停止」と「無意味な安心」のための道具でしかない。そして彼らもそこまで馬鹿ではない。意味がないことにうすうす感づいてはいるのだが、それでも「ロードマップはどこだ」と文句をつけるのだ。


たいていの人間にはそうしたことしかできない。しかしこの任天堂社長の言葉はどうだろう。堂々と「はい、外れます」と言ってのける。この人には(それが商業的な成功に結びつくかどうかは別として)自分が目指したい世界が見えているのだろう。そしてそれを実現するためにはどのような技術が必要かをきちんと整理して物を作り上げる。個々の技術の知識だけで、結局何を目指すか分からないまま(コンピュータエンタテイメント、という空虚な言葉がそれを示している)作り上げたPS3とは180度違うものの作り方だ。



【Q】 コンピュータ業界から見ると、Microsoftやソニー・コンピューターエンタテインメント(SCEI)の動き方は分かりやすい。コンピュータ業界のテクノロジロードマップに沿っていますから。任天堂は、逆にコンピュータの世界からはわかりにくい。それは、発想の原点が異なるからですね。


【岩田氏】 彼らはとても、PC的だと思います。私も、技術者としてはそのアプローチはわかるんです。でも、うちはお客さんに驚いてもらってナンボですから、こういう方法になっていますね。



そして岩田氏は、MS,SCEIの考え方を理解したうえで、それとは違う方法をとっている。これが自分の考えしか世の中に存在しないと思っている彼らと異なるところだ。


先週行った学会の夜の宴会で、みなでWiiを楽しんでいた。いや、これ


楽しいよ。そして何より驚くのはこうした製品を本当に作り上げ、売り出してしまう力だ。