Gates と Jobs

2007-01-12 06:57



最近正月にCESなるイベントが開催されていることを知った。Gates君が基調講演を行う。


でもってその直後にMacWorld ExpoこちらはJobs君


この二人のプレゼンテーションを見比べることは(去年もやったような気がするが)大変興味深い。何がこんなにも違うのか?(と書いているそばではGates君が一生懸命「未来の生活」をデモしている)


CESのキーノートではとにかく形容詞が多い。AmazingだのVery Simpleだの一生懸命説明する。


JobsもAmazingだとかは使う。しかし大きな違いがいくつか。第一に形容詞を使う回数が少ない。第二にGates君と比べると本人が心の底からそう思っていることが聴衆に伝わってくる。(Gates君のデモは全く楽しそうではない。楽しくないなら人前でやるなよ)


それよりもJobs君がプレゼンする製品は、くだらない形容詞をごてごてつける必要がないものばかりだ。ただ取り出し、デモをすることで聴衆を圧倒する。


去年だったか自分がプレゼンする前にJobsのプレゼンを観ていて気がついた。彼は良いプレゼンができるような製品を開発しているのだ。(逆にネタがないときにしゃべるのは実につらい。仕事ではそういうことよく起こるけどね)


昨日あちこち見ていた中で一番印象的だったのがこの記事。


全世界の家電メーカーが力を合わせてもApple1社に勝てなかった日


メーカーの中で働き、疑問を持ったことがある人と、そうした経験を持たなかった人が、今回のiPhoneにどのような印象を持ったかを見比べることは実に興味深い。


元マイクロソフトの古川氏のブログにはCESの丁寧な記事が掲載されている。


それ自体は情報として貴重なものだが、全世界の家電メーカーに勤める広報担当は自分がやっていることをよく考え直すべきだ。担当が考え直してもだめか。広報に少しでも意識がある経営者、と言い直そうか。


CESのためにつぎ込んだ膨大な金、時間、それらはすべてApple一社によって、そのすばらしい製品と見事なプレゼンテーションによって吹っ飛ばされたのだ。自分たちは何をやっているのかよくよく考えるべきだ。それに疑問を持たないとすれば、きっと一生幸せに暮らせることだろう。


某業界のように、自分たちの業界外で何が起こっても知らぬ存ぜぬの村人たちにはこんなことを言っても無駄だとは思う。しかし次にJobsが作るのはそうした製品かもしれない。