柳沢君の発言に関する違和感について
2007-02-07 10:59
今度は
「若い人たちは結婚したい、子供を2人以上持ちたいという(希望を持つ)きわめて健全な状況にいる」
と発言したのだそうな。
彼の発言についてはいろいろな意見がある。冷静に考えれば事実を言っているだけじゃないか、という意見は正しいと思う。
しかしなぜこれほどまでに人の話題になるのか。(野党やメディアのヒステリックな取り上げ方は別にして)私のカンに触るのか。
その答えの一端を見つけたような気がするので以下に引用する。任天堂の岩田社長と糸井重里の対談から。
- (引用ここから)--
(糸井)
だけど一見、そういうように、
「人間の行動を、こちらが紙の上で
考えやすいように見る」
ということをして、経営者が
「こうすればこうなるだろう!」
といってのけて成功したりすると、
わかりやすく
「すごい」と思われがちじゃないですか。
(岩田)
モデル化を単純にするほど
考えやすくなるから
単純なモデル化には魅力があるんです。
だけど人に対して単純なモデル化で
経営をするのはまちがっていますよね。
「あなたはそんなに単純にモデル化されたいか」
と説教したくなります(笑)。
- (引用ここまで)--
柳沢大臣が発言している内容は確かに「正しいモデル」なのかもしれない。しかし相手に向かって「正しいモデルはこうだ」と発言すると反感を覚える人もいるだろう。少なくとも私はそうだ。
つまり柳沢氏は人と対峙するポストにつくべきではない。官僚にでもなって国民動向を分析し、「若い人のモデルはこうだ」と議論し、政策の立案をすべき人だと思うのだ。つまり大臣には不適格。
ちなみに
マーケティングではこのような「人をモデル化して語る」ことがよくなされる。ある高名な研究者がいつかこんなことを言っていた。(かなり得意げな様子で)
「中小企業の経営者は、こういう傾向をもった映画を好むことがわかった」
それを聞いて私は感情的な反感を覚えた。それは柳沢氏の発言に感じる反感と同根のものなのだと思う。