神話の終焉、、なのか?
2007-02-13 08:17
どんな外部環境の変化が起きようとも、掲げた目標数字は必ず達成する。こんなコミットメント(必達目標)経営を身をもって実践してきたゴーン社長に、投資家は絶大な信頼を寄せてきた。それだけに、7年連続の増益記録更新を断念する下方修正に、証券市場では“ゴーンショック”とも言うべき狼狽が広がっている。
このゴーンという人が来た時、最初は懐疑的な意見もあった。そのうち日産の業績が回復するにつれ「ゴーン=すばらしい経営者」という文脈で語られることが多くなってきた。
私は一消費者としてしか日産を見ていない。(正確に言えばほかの要素もある。これについては後述)しかしゴーン賛歌に何か微妙なずれを感じていた。
それは彼が来てから日産の車が変わったか?という点だ。品質や価格は私の知るところではない。しかし私が見たところ以前として「これを買いたい」という車は一台としてないのだ。
以前何かの発表で聞いたことだが、自動車メーカー各社の「イメージ」アンケートをとってみると、すべての項目において日産は一位でない。(たとえばホンダは「先進性」で一位だったような)つまりそこそこいいとは思うのだけど、誰も日産と言えばこれ、といったイメージをもてないのだ。それはゴーンが来てからも変わりはない。
そこにこのニュース。今まで懐疑的ながらも黙っていた私のような臆病者は、「やっぱり。。」といいたくもなる。B to Cの会社では、お金を上手に回すことは半分でしかない。消費者がすばらしいと思う製品を作り出さなくて「復活」がありうるものだろうか?
さてこの話の皮肉というのは。。
仕事で付き合う日産のエンジニア達は非常にまじめで、かつ新しいアイディアに柔軟、ということだ。それは経常利益一兆円企業のエンジニアよりはるかに付き合っていて好ましい性質である。
なのだが、会社の経営状態の差異はこのとおり。世の中こういう風にできてるんだよなあ。。
ある人に聞いたことだが、20年ほど前、日産の社屋はとてもきらびやか、それに対してトヨタのそれは質素だった。その後の日産の危機を見るとき「やっぱりなあ」と思ったのだそうな。
いまやトヨタの社屋はとんでもなくきらびやか(だと聞く)。果たしてここに「法則」はあるのかないのか。