「業者さん」との関係

2007-04-16 00:00



自動車、逆ピラミッド時代

部品大手マグナ、クライスラー買収に意欲

自動車、逆ピラミッド時代 (時流超流):NBonline(日経ビジネス オンライン)自動車、逆ピラミッド時代 (時流超流):NBonline(日経ビジネス オンライン)


このニュースを聞いて思い出すのは、米国で働いている友達の言葉である。



「以前上司がこう言っていた。”誰が上司になるかわからないから、みんなと仲良くしましょう”と」





下請け、発注先、協力会社、言葉はいろいろあるが、否定できないのはこれらの言葉に含まれる「見下した」ニュアンスだ。たまたま自分が「発注元」の企業に勤務しているがゆえに、自分が「発注先」に勤務している人間より上等だ、と信じている人はかなり多いことだろう。そしてそうした会社に勤める人は、その会社の中だけで一生を終えるから、その考えで大過なく会社生活を送ることができる。


私がGMで働いていた10ヶ月の間にも多少そうした事例を見聞きした。しかし日本における「元受、下請け」の関係よりもはるかにそうした「見下す」雰囲気が少ない、と感じたもの事実である。彼の国では自体ははるかに流動的だ。「協力会社」に対していばっていると、そこがいつの間にか「親会社」になるかもしれない。出入り業者の営業と思って馬鹿にしていると、次の日にはその相手が自分の上司になっているかもしれない。


マグナがクライスラーを買収するときっとあれこれ面白いことが起こるのだろう。しかし例えばデンソーがトヨタを買収した場合に比べれば面白さは1/100程度なのではなかろうか。地位の逆転時代を覚えている世代がいる間はまあぎこちなくもスムーズにことが進むのだが、トヨタの親会社たるデンソーに入社した人間が幹部にすわるにつれ、関係は「面白い」ことになっていくのであった、なんて図柄が私が生きている間に見られないものかと思う。日本の


「企業の関係=人間の関係」


と考える文化にはかなり辟易している。